死亡リスク高め命を縮める。超加工食品の食べ過ぎが招く健康被害

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リーズナブルな価格や手軽さから、ついつい選んでしまうきらいがある超加工食品。しかしその過剰摂取は深刻な健康被害を招いてしまうようです。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では現役医師の徳田安春先生が、清涼飲料水や炭酸飲料、スナック菓子や菓子パンといった超加工食品の食べ過ぎが人体に与える悪影響について解説。さらにその被害を予防するために、タバコ対策と同様の公共政策が必要との考えを示しています。

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超加工食品の健康影響

超加工食品を食べ過ぎると、さまざまな病気にかかりやすくなる。肥満、2型糖尿病、高血圧、心血管・脳血管疾患、うつ病、脂質異常症、高尿酸血症、腎機能低下、非アルコール性脂肪肝、クローン病、乳がんなどだ。結果として、死亡のリスクを高め、寿命を縮めてしまう。

超加工食品の多くは、エネルギー密度が高く、脂肪、砂糖、塩分が多い。一方で、食物繊維や微量栄養素に乏しい。超加工食品を多く摂ると栄養バランスが崩れ、1日のカロリー摂取量を大幅に増やし(約500kcal)、体脂肪の蓄積を引き起こす。米国の大規模な調査では、超加工食品を多く摂る男性では、大腸がん死亡率が高くなることが示された。

超加工食品の悪影響は、添加物や保存用物質など、非栄養成分により引き起こされている可能性もある。ある添加物は、腸内細菌群を乱し、大腸発がんを促進することが示されているのだ。超加工食品は、植物性食品に含まれる保護作用のある植物栄養成分が欠落している。中には、依存性がある超加工食品もあるので要注意だ。

超加工食品を減らす政策

超加工食品による健康被害を予防するための合理的な方策は何か?まず、超加工食品の生産と消費を減らすこと。その宣伝を制限すること。回避を勧告する公的な公共政策も必要だ。これらはタバコ対策に似ている。国際的なうねりが必要だ。

しかし、最近英国では、政府が提案したこのような政策が議会で却下されている。経済的に困難な時代には英国の国民は安い食品を必要とする、という理由だった。近年の英国では、保守党が多数派なので、英国の健康政策は進展していない。

だが、病気の原因となる食品を望む人々はいないだろう。政治がすべきことは、手頃な価格の新鮮で最小限に処理された食品の供給を確実に行うことだ。栄養疫学の専門家は、新鮮な食品で作られた出来立ての食事を促進し支援する国家的イニシアチブを広げるべきとしている。これは、公衆衛生に良いだけでなく、家族、社会、環境にも良い効果を与えることになるのだ。

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