残る手段は核使用のみ。プーチンが国家の存続に関わる賭けに出た

 

ロ軍や世界の状況

プーチンは、2022年末の恒例の年末記者会見と年次教書演説を中止するとした。クレムリンから出ずに、人前に出たがらないようである。出ると戦争の行方を聞かれて、それに答えられないからのようである。

どうも、プーチンが気弱になっているようであるが、ロシアの孤立化を防ぐために、インドのモディ首相と電話会談した。

この中で、モディ首相は、、プーチンに対話と外交で問題を解決して、戦争を中止するべきと述べたが、聞く耳を持っていないようである。

今は、1つにバクムト攻撃とウクライナへのインフラへのミサイル攻撃の2つの攻撃をして、後は防御で推移しているが、プーチンは16日、特別軍事作戦本部を訪れ、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長、スロビキン司令官らと司令官複数の会議を開き、やや手詰まり感がある戦況で、軍幹部たちに「新たなアイデア」を求めた。

要するに、劣勢を挽回する奇策を求めている。それしか、勝つために、核使用しない方法がないからである

もう1つ、ベラルーシのルカチェンコに最後の参戦要請をするために19日に首都ミンスクを訪問する。それでも参戦しないなら、暗殺になるのであろう。しかし、民主化を要求するベラルーシ解放戦線は、ベラルーシの内乱を誘導する準備をしている。ルカチェンコはどうするかである。来年1月のウクライナの首都キーウへの再攻撃にベラルーシ軍も参戦させられるか、プーチンも正念場である。

しかし、その攻撃を米戦争研究所は、ウ軍の準備しているので失敗すると見立てている。

その中、ロシア併合4州の発展計画を作るように政府に指示を出している。まだ、負けるとは思っていないようだ。予備役がロシアに250万人もいるので、動員をかけ続ければ、数の上で優位にあると思っているようだ。しかし、今は劣勢だが、秋の動員兵の訓練が終われば、攻勢に出られるとみている。

今の時点で、一番ロ軍攻撃で効果を上げているのは、インフラへの巡航ミサイル・イラン製UAV攻撃であるが、ウ軍に米国からパトリオット対空ミサイルが供与されることになり、この攻撃も防御される可能性が高くなる。

今後、イランから短距離弾道ミサイル「ファテフ110」を提供されるようであり、この攻撃を防止するには、パトリオットが有効である。

ということで、この攻撃も無効化できるようである。

ロシア国内では、s300やs400の対空システムが全土をカバーしていないので、ウ軍のUAVでの攻撃を防げないようである。

特に、軍需会社ウクルオポロンプロムが開発した航続距離1,000kmのUAVが完成して、実戦配備の段階にある。このUAVは2017年にプロトタイプができて、TB2の半分程度の大きさであり、75kgまでの爆弾を搭載できるという。

このUAVを用いて、12月末にはロシア国内の高価値目標を空爆する準備をしているという。ということで、ロシアに安全な場所がなくなっている。

対して、ロ軍は、後3-4回の大規模ミサイル攻撃しかできないようである。ミサイルの在庫が300発程度であるからだ。イラン製UAV攻撃は撃墜率が100%になってきている。12月14日の13機UAVをすべて迎撃したという。

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