残る手段は核使用のみ。プーチンが国家の存続に関わる賭けに出た

 

北部ヘルソン州

ドニエプル川東岸の川の近くには、塹壕が掘れないので、川から10km程度離れて、塹壕を掘っている。このため、渡河する空間はあるという。この可能性があるので、ロ軍はドニエプル川の中州ポチェムキン島に拠点を作り、渡河をさせないようにしている。

しかし、ウ軍は米国から58隻の河川艦船を供与されているので、ドニエプル川を渡河する可能性はあり、それに対して、ロ軍は、クリミアまでの間に複数の塹壕を掘り、防衛網を築いている。

ドネツク・バフムト方面

ロ軍は、この地域を最重要攻撃地点としている。精鋭部隊の多くをこの地域に集めている。ロ軍の多くの戦闘資源をここに集めている。とうとう、損害無視で波状攻撃を仕掛けてきて、バフムト市内に取りつくことができたようである。しかし、大きな損害が出ている。

この方面のロ軍は昼夜の別なく攻撃を仕掛けてきているようだ。もう1つがバフムト市を回り込む攻撃もあり、そちらもウ軍との激しい戦いになっている。

このような攻撃で、ウ軍も多くの犠牲者が出て、ウ軍もヘルソンから多くの部隊を増援部隊として派遣、ロ軍の攻撃を防いでいる。塹壕戦もあり、前線が動かないのに、双方の犠牲者だけが増えている。

クデュミフカでは、ウ軍は運河の閘門を奪還したが、市内の半分をロ軍が占拠し、この閘門を取りに攻撃してくるが、ウ軍は撃退している。

もう1つ、ウ軍は東部ドネツク市内に対し最大規模の攻撃を実施したようである。市内中心部を攻撃した。ここが補給の拠点であり、そこをたたかないと、ロ軍の攻撃強度が下がらない。

スバトボ・クレミンナ攻防戦

ウ軍は、クピャンスクからP07を南下してスバトボに向け進軍して、いる。

ウ軍はクゼミフカやキスリフカに前進しているが、その奥に高台があり、そこを取ろうとしている。この高台を取るとスバトボの街が見下ろせるので、正確な砲撃でできることで、スバトボを奪還できるからである。

しかし、ロ軍もそれを知っているので、ここに戦力を集めて、攻防戦が激しくなっている。

そして、ロ軍は、昔ながらの塹壕を掘るが、最新鋭の精密誘導間接射撃に対して脆弱である。それなのに、ロ軍は、スバトボを中心とする北部方面を優先して、塹壕の大規模な防御線の構築しているが、それでは守れない。このため、精密誘導間接射撃でロ軍の塹壕にいた兵士の半分程度が戦死したようである。

このため、ロ軍劣勢でも、ウ軍奪還地に攻撃してくることになっている。

もう1つのクレミンナもウ軍は攻撃して、市内直近まで迫っているが、ロ軍も激しく抵抗している。反対にロ軍が、クレミンナ北西10kmのチェルボノポピフカを攻撃している。

そして、スバトボ北西約18kmのノヴォセリフスケとステルマヒフカにもロ軍が攻撃してきている。すべてウ軍は撃退している。

しかし、どこも泥濘で、機甲部隊が自由に動けない状態で、本格的な攻勢ができないようである。

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