残る手段は核使用のみ。プーチンが国家の存続に関わる賭けに出た

shutterstock_1287905683
 

西側諸国から最新鋭兵器の供与を受け続けるウクライナの攻勢に、多数の戦死者を出しているロシア軍。もはや戦術核の使用しか事態を打開する手立ては残されていないようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、両軍の激戦が続く各地域の戦況を詳しく解説。さらにロシアを代表する国際政治学者がインタビューで口にした衝撃発言と、「唯一の停戦手段」を紹介しています。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

 

冬に攻勢へ転じるはずが…ウクライナ軍まさかの停滞

ウ軍は、冬に攻勢に転じるはずが、まだ攻勢になっていない。凍結が十分ではなく、戦車などの移動がまだできないようである。今後を検討しよう。

冬になり、道の凍結するはずが、まだ泥濘の状態で、機甲部隊も動けないようである。このために、前線が、あまり動かない。

前回述べたウ軍の機甲化部隊が動かない理由は、まだ泥濘の状態で動けないことである。しかし、徐々に、ウ軍の戦略の方向性が見えてきている。温存の機甲化部隊の進軍はどこかを推測したい。

ザポリージャ方面

メルトポリ周辺のロ軍基地、補給基地、橋などをHIMARSの砲撃、パルチザンの破壊工作などで、破壊している。特にマリウポリと繋がるM14道路のモロチナ川の橋をウ軍特殊部隊が破壊した。その後、銃撃戦も起こっていた。

この橋は、メルトポリとマリウポリを結ぶM14道路の橋で、ロシアのロストフ・ナ・ドヌーとマリウポリとメルトポリ、そして、クリミア、ヘルソンを結ぶ補給のメイン道路である。このメルトポリは補給の拠点でもある。

このため、メルトポリには、この一帯の重要な拠点として、ロ軍兵の基地や補給拠点などが密集している。その基地や拠点をHIMARSで砲撃されて、多くのロ軍に死傷者を出ている。

そして、ベルジャンスク市でも、ウ軍特殊部隊が、変電所を爆破したようである。同州エネルホダルやトクマクなども攻撃したと報告。この攻勢で総数150人を負傷させ、砲門の陣地3カ所に被害を与えたとした。ザポリージャ州の補給の要衝を複数個所に攻撃しているようである。

ウ軍の狙いは、補給を止めて、撤退せざるを得ない状態にロ軍を追いやることだ。南ヘルソン州でのロ軍撤退のような状態を作り、その上で冬にメルトポリへの機甲部隊による攻撃を計画しているのであろう。

このため、攻撃の数週間前に、ロ軍基地や橋などの重要な基地・補給ラインを切ってきたというようである。

しかし、ロシア本土からアゾフ海をフェリーや揚陸艦で渡り、物資を運ぶ方法で、クリミアへの物資輸送はあり、陸路での補給ということになる。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • 残る手段は核使用のみ。プーチンが国家の存続に関わる賭けに出た
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け