安倍氏に習った手口か。“大軍拡”を先に「閣議決定」する岸田首相の大暴走

 

で、例の安全保障3文書を改訂したということで、その中のキモの部分というのは例の「反撃能力」という奴で、ちょっと前までは「敵基地攻撃能力」だったわけですが、遠くからミサイルを撃って相手のミサイル基地を叩くという話ですね。ある意味荒唐無稽と言ってもいい訳ですが、それは言い過ぎだと言われるかもしれませんが、強調されているのは、それによって攻撃を思いとどまってほしいのだと、日本を攻撃したら酷い目に遭いますよと。いわゆる「抑止論」ですね。しかし、仮にそれが発動されてしまい、相手が攻撃をしてきたときにこちらから反撃をした…で話が終わればいいですが、終わりませんよね。今のロシアとウクライナの間のことを見ても分かるとおり、どんどんエスカレートする危険さえある。力の限り戦うということでは、ロシアがそうなりつつありますね。ロシア軍は相当追い詰められた状況で、何をするか分からないところに来ているのではないかという気がします。

で、その敵基地…いきなり敵と言ってしまうのも凄い話なのですが、NHKのアナウンサーを含め、皆、躊躇無く「敵」とスッと言うのでドキッとするのですが。まあ、攻撃してきた相手だから敵になるのでしょうが、そこの基地を叩いたとして、その能力を持ったと言うことで終わらない話。結果として安全保障につながらない危険が非常に大きいのではないかと思います。単純に、軍拡の論理に入ってくるという話だと私には思えました。

で、ウクライナかどうかはまだ分からないですが、ロシア領内のウクライナを爆撃して、巡航ミサイルでウクライナの生活インフラを散々攻撃してきていますけれど、それに使った爆撃機をおそらくはウクライナ領内から飛んできた自爆型の無人機が攻撃。損害が出て、ロシア兵も3人死んだ。

それと今度の話をごっちゃにする人もいて、10ヶ月間、ロシアの一方的な侵攻、砲撃によって始まり、テレビ塔をいきなり砲撃されたりしているわけですが、10ヶ月戦い、ロシア軍に10万の死者、ウクライナ軍に8万から9万、民間人2万人の犠牲者を入れるとやはり10万人以上の方、併せて20万人以上が亡くなるか深刻な怪我を負うという状況。その戦争のまっただ中の今の局面で起きた、ウクライナ軍によると思われる攻撃、これはウクライナの自衛権の延長に位置することだというのは間違いが無いと思います。

そこに関してアメリカのブリンケン国務長官が…ハイマースで使うロケット弾の射程の問題がありましたよね。ものすごく長い射程のものもあるのに、それをウクライナに供与してしまうとロシア領内を攻撃することになり、アメリカ軍が供与した兵器によってロシアを攻撃したことになり、大変具合が悪い。それは供与しない、射程が比較的短い、といっても70キロくらいあるわけですが、そういうものを供与してきた。だから、ブリンケン長官は、「ウクライナがロシア領を攻撃するよう促してはいないし、意図もしていない」と言っている。

オースティン国防長官の方は、「ウクライナがロシアを攻撃することを阻止するかというと、それはノーだ」と。結局、アメリカはロシアと直接戦争をするということを避ける振る舞いですが、その事件。仮にウクライナ軍の攻撃だとしても、それが今ここで言われているような先制攻撃とは意味が全く違うと思いますね。そのように言いたい方もいらっしゃるようですが、私は違うと思います。

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