安倍氏に習った手口か。“大軍拡”を先に「閣議決定」する岸田首相の大暴走

ut20221219
 

十分な議論も説明もなされぬ中、閣議決定された安保関連3文書。「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」として保有することが明記されるという、まさに戦後防衛政策の大きな転換点となるわけですが、識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、反撃能力の保有が安全保障につながらない可能性を指摘するとともに、その理由を解説。さらにかような重要事項を閣議決定後に国会に諮る、岸田首相の乱暴さを非難しています。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

岸田首相「防衛政策大転換」会見、あまりに酷く最悪だった中身:「デモくらジオ」(12月16日)から

冒頭にお話申し上げようと思いますのは、つい先ほどまで、いや、まだやっていますか、もう終わりましたかね、6時半からでしたか、岸田総理の官邸での記者会見がありました。きょうの臨時閣議で、例の、防衛関係の3文書をかえるということで、それについて閣議決定をしたようです。

これ、内容的にはこれまで言われてきたことプラスアルファですが、基本的には戦後の防衛政策の大転換。2015年、安倍元総理が推進した例の安保法制、あれこそ、戦後防衛政策、安全保障政策の大転換そのものだったわけですが、それに勝るとも劣らない、非常に大きな変化をこれから我が国はやろうとしていることになってしまいます。

もっとも、自民党内でもかなり大きな反発を呼んでいる、とりわけ財源論のところですが、来年の統一地方選を控えて増税の話とは何事かというタッチの、いかにも議員らしい発想の批判もあるようですし、閣内でも高市さんとかね、あるいは与党内、公明党はどうだかよく分かりませんが、批判があります。

もちろん、年明けから始まる通常国会の中で、野党からのそれはそれは厳しい批判を浴びることになるでしょう。日本維新の会とか国民民主党などは基本的な反撃能力云々に関して、これ、あとでお話し申しますが、その部分については賛成のようですので、そのような批判ではないのかもしれませんが、少なくとも立憲民主党や共産党やその他の政党に関しては、戦後の憲法違反の政策だというタッチになると思います。

後でご紹介する本会議プレーバックのなかでも、もしかしたら語られているかもしれませんが、なかなか人が集まらないというね、いわゆる反対運動を組織しようとしてもなかなか人が集まらない状況になっているという。これはコロナの影響もありますけれど。そのもとで大衆的な反対運動が起こるかどうか、なんとも言えないですが、論議の内容そのものについては大変危ういというか、岸田さんという人はいったいどういう人なのだろうかという感想を今日も…。

私、クルマを運転しながら岸田さんの、例によって途切れ途切れになるような不思議なしゃべり方の会見を聞いていたのですが、ある場所で危なくブレーキを踏みそうになりましたよ。非常に、酷い会見でしたね。どういうことだったかというと、基本的に安全保障環境が大きく悪化していると。ごく一般論としては正しいと思います。中国の力による現状変更というような話とか、北朝鮮がミサイルをバンバン撃っている、しかもそのミサイルがロフテッド軌道だったり、飽和攻撃だったり、つまり防衛しづらい状況になっている。つまり日本の国の領土と国民の生命・くらし・財産、こうしたものが脅かされているのだということです。で、安全保障の考え方を変えなければいけない、そういうことだと思われます。

この記事の著者・内田誠さんのメルマガ

購読はこちら

 

print
いま読まれてます

  • 安倍氏に習った手口か。“大軍拡”を先に「閣議決定」する岸田首相の大暴走
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け