ちなみに国民年金からの給付は昭和36年4月1日始まって以来、ずっと65歳支給でした。なので昭和61年4月1日から始まった老齢基礎年金はそもそも65歳から。
しかしながら、昭和60年時点で女子の厚生年金はまだ55歳支給であり、男子は一応60歳からとなっています。
厚生年金を65歳に引き上げるって事になりましたが、昭和60年時点ではその引き上げスケジュールは決まっておらず、実際のスケジュールが決まったのは8年後の平成6年改正時でした。
じゃあ平成6年に厚生年金60歳から65歳まで引き上げスケジュールが決まるまで何をしたかというと、とりあえず女子の55歳受給開始年齢を60歳まで引き上げようという事になりました。
昭和60年度から平成12年度までにかけて55歳から60歳に引き上げたのです。
平成12年度になっていく昭和15年4月2日以降生まれの人からは女子の厚生年金受給開始年齢は60歳へと到達しました。
このように女子は平成12年度からようやく60歳に引き上げ終わりましたが、女子引き上げ途中だった平成6年にはもう男子の60歳から65歳への引き上げが平成13年度から始まるって事が決まっていました。
平成6年から平成11年度の間はまだ女子は55歳から60歳への引き上げ途中だったわけですが、平成12年からようやく60歳に到達ー!となって、すぐにじゃあ男子と同じく平成13年から早速60歳から65歳まで引き上げましょうねとなると、ずーっと休みなく女子は年齢を引き上げられ続ける事になります。
息つく暇もないので、じゃあ平成6年に60歳から65歳への引き上げスケジュールが決まった時にまだ女子が平成11年度までは55歳から60歳への引き上げ段階だったので、その平成6年から平成11年までの5年間を女子の次の受給開始年齢の引き上げ期間の猶予として用いたわけです。
男子は平成13年度から60歳から65歳への引き上げが始まるけど、その5年間の猶予後である平成18年度から実際に女子の60歳から65歳への受給開始年齢の引き上げを開始しようと。
その時のズレが、現在の厚生年金受給開始年齢引き上げの5年のズレとなっています。
よって、男子は2025年に完全に65歳へ引き上がりますが、女子は2030年に65歳引き上げ完了となっています。
まあ結果的に女子が受給開始年齢で有利になっていますが、昭和時代はほとんど女子が厚生年金を貰えるなんて無かったので、特別に55歳受給開始年齢に据え置き続けていたという事が影響してしまったという事ですね。
ちなみに、厚生年金保険料率の面でも女子は男子より低かったので、そこも昭和60年改正以降統一していきました。
※ 追記
共済年金は年金受給開始年齢で男女差はありません。共済からの厚生年金は男女とも昭和36年4月2日以降生まれの人からは完全に65歳となります。
共済は昭和時代の末期は55歳支給でしたが、平成7年に60歳支給に男女とも引き上げまして、平成13年度からの60歳から65歳への通常通りの引き上げが始まりました。
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