ココで疑問を持たれるのですが、平均的に長生きするのは男子より女子です。
女子の方が長生きするので、年金受給の財源も女子の方がかかりそうですよね。
じゃあ女子の方の開始年齢を引き上げたほうが良かったのでは?と思われそうです。
女子はなぜ55歳のままにしたのか。
それは、昭和時代は厚生年金に加入して働く女子なんてかなりの少数派だったからです。
更に、昔の厚生年金は20年の期間が無いと、1円も貰えなかったので女子が将来に厚生年金を貰うなんてとても少数派でした。将来に年金を貰える女子は少数だったから、今まで支払った保険料を一定率返す制度(脱退手当金という)も存在していました。
今現代ではもうほとんど聞かなくなりましたが、寿退職って当時は普通だったんですよ。退職したらそのまま家庭に入って家事育児に専念します。
そういう女子が再就職なんて考えられない時代でした。
家庭に入った女子が再就職なんて考えられない時代だったので、ますます20年の厚生年金期間を満たす可能性はありませんでした。
ひと昔前の20年以上(満了者という)を満たした厚生年金を受給してる女子って、僕もあまり見かけませんでした。
たまに見かけると、ちょっと感動したものです。
このように、厚生年金を受給するとすれば大半が男子なので、男子の厚生年金の受給開始年齢を引き上げたほうが効率はいいですよね。
その後、1979年になると女子の差別は撤廃していこうという女子差別撤廃条約が国際連合で採択され、締約国は差別撤廃義務が条件でした。
よって、日本はまず男女機会均等法を制定した後、条約を批准しました。
男女の差は撤廃していこうという事になっていくなかで、年金の受給開始年齢も同じにしていきましょうという事で、昭和60年改正の時に男女とも老齢の年金は65歳とするという事が決まりました。