新しいデパートのカタチ。あべのハルカス近鉄百貨店本店がとっぱらったフロアの概念

Osaka, Japan - December 2 2015: Abenobashi Terminal Building is a commercial facility in Abenosuji Itchome. It consists of the New Annex, Eastern Annex, and a 300 m tall skyscraper Abeno Harukas.
 

ファストファッションのブランドが台頭したり、イオンやららぽーとなどの、大規模ショッピングモールができてきたりと、ここのところ百貨店という業態だけで、他の商業施設と差別化をすることが難しくなっています。

それに、若い顧客層を取り入れたい、という戦略もあいまってこのように、旧来の婦人服フロアで雑貨や食品も販売しよう、という取り組みになったのでしょう。

小売業では、お客様のその店への訪問頻度が、多ければ多いほど売り上げにつながりますし、その店での滞在時間が長ければ長いほど、よく売れます。

これはネットもリアルも同じです。

百貨店で売っているもので、一番頻度多く買いに来るものはやはり食品ですし、食品を買いに来た人が、1フロアに雑貨や服が置いてあれば、回遊性も上がるし、滞在時間も増えますよね。

お客様の立場からしても、色々な種類の商品を見る楽しさと便利さがあります。顧客視点からしても、興味のある取り組みです。

この取り組みにより、外商顧客からの売り上げ増や、ブランディングのアップなどに貢献できるとのこと。

この事例から学べることは、「既成の考え方にとらわれてはいけない」ということです。

デパートの婦人服売り場には、婦人服だけを売る場所に決まっている、と思い込んでいたら、この発想は出てきません。

また、「婦人服売り場で何を売ろうか?」という思考回路からだと、顧客の本当に欲しい、「買う楽しさ」を提供できなくなります。

顧客が本当に欲しいものは何か?そのために何ができるか?という発想のステップが、このような新しいアイディアにつながるのです。

やはり人は楽しいところに集まります。その意味でも楽しみな近鉄百貨店の取り組みです。

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image by;r.nagy / Shutterstock.com

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