「プーチンはクレイジーだ」中国が露を見限り欧米との関係修復を図りはじめている

 

スバトボ・クレミンナ攻防戦

一歩一歩と前進しているが、ロ軍も大量の人員と装備を集めているので、ウ軍も前進するスピードが遅くなっている。ロ軍を押しているが、攻撃時の損害を少なくするために、無理をしていない。

ソノフイの高地を制圧して、スバトボ市街地を見通せるポイントを押さえるべく、攻撃をしているが、ロ軍も分かっているので、防備を固めている。塹壕を作り防衛しているが、精密砲撃で、損害が大きくなっている。

クレミンナ包囲網も徐々に狭まってきているが、ロ軍は防御に集中して、攻撃をしなくなっている。停滞状況である。

ロシアとウクライナの状況

ウ軍は大規模攻勢ができずに、停滞している。一方、ロ軍は200万人動員計画もあり、ウクライナより多い人的資源を使い人海戦術で、押しきる戦術を見出した。現在、戦争の主導権は、ロシアに傾いたようである。

このため、プーチンは、ゲラシモフ総司令官に、「3月中に東部ドンバス地方を占領して、戦争を止める」とした。中国の習近平主席からの手紙で、「いつまで戦争をしているのか。戦争終結までのスケジュールを明確にしてほしい」ときた。

このため、メドベーシェフを送り、対話を促進するとしたが、それもできずに、No..2のパトリシェフも中国に送り釈明している。

しかし、直近のロシアのラブロフ外相と中国の秦外相の電話会談では、「中露関係の成り立つ基礎」として、「同盟しない、対抗しない、第3国をターゲットとしない」という「3つのしない」方針を提示したという。

これは、中国はロシアと同盟関係にならないし、敵対もしないし、中露で米国を敵対視しないということであり、明確に中国は、ロシア離れになってきた。中国は、ロシアのプーチンをクレイジーだと言っているようであり、明確に欧米との関係修復方向になった。

このため、ロシアは、同盟国通貨と思い、貯め込んだ手持ちの人民元を売り、ルーブルに変えた。しかし、生活必需品の供給を中国に依存するロシアは、それ以上の対抗処置は取れない。

このような中国の動きを見て、セルビアのヴチッチ大統領は、「私たちにとって、クリミアはウクライナであり、ドンバスはウクライナだ。今後もそのままだ」と発言。ロシアに近いセルビアも、明確にロシア離れになっている。セルビアは、ウクライナに電源修理の機器を援助したことでウクライナ側と明確にした。

同盟国と思い、ワグナーはセルビアで、要員募集をしていたが、セルビア人が国外の紛争に参加するのは違法だ。このため、セルビアのヴチッチ大統領は、憤慨して「なぜワグナーは、私たちの規則に違反すると知りながら、セルビア人に呼びかけるのか」とした。

イラン外相も「イランとロシアの関係は良好だが、ロシアによるクリミア半島・ルハンスク州・ドネツク州等のウクライナ占領地の併合を我々は認めない。我々は国際法の下で各国の主権と領土保全を認めている」とした。しかし、ドローンとSu-35の交換は行うようである。政治的にはロシアの味方ではないが、ビジネス上での関係はあるということであろう。

このような状態になり、国際的孤立が深まるロシアも戦争を終結させないといけない状態になってきた。

このため、150万の軍隊を作り、人海戦術でウ軍を圧倒することであり、今、ロシアのできることは、国民を戦場で大量に殺しても、戦局を有利にして停戦に持ち込むしかない。

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