長引くウクライナ戦争。誰もが停戦を願いながら終わることのないこの戦争は「今年秋に終わる」とした予測が注目されています。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、その予測をたてた元モスクワ国際関係大学教授のソロヴェイ氏の発言を詳しく分析しています。
ウクライナ戦争はいつ終わる?
ウクライナ戦争は、いつ終わるのでしょうか?これを知る人は、世界に一人もいません。当事者であるプーチンもゼレンスキーもわかりません。
ですが、予測があたることで知られている、元モスクワ国際関係大学教授のソロヴェイさんは、「今年秋に」といっています。なぜ?
セルビアの裏切り
ソロヴェイ教授は、親ロシア諸国がプーチンを見捨てた事実を挙げています。
プーチンを裏切った国は、親ロシアのセルビア。セルビアは、ロシアと同じ「東方正教会」の信者が多い国。
そして、セルビアは、ロシアに恩があります。セルビアから08年に独立宣言したのが、コソボです。現状、国連加盟国のうち、85か国はコソボの独立を認めていません。そして、「コソボの独立を認めない運動」を主導しているのがロシアなのです。
そんなセルビアのヴチッチ大統領は、ブルームバーグのインタビューで、「クリミアは、ウクライナ領だ」「ドンバス(ルガンスク、ドネツク)もウクライナ領だ」と断言しました。
【参照】Вучич: Донбасс и Крым для Сербии всегда будут частью Украины
イランの裏切り
ウクライナは、トルコの無人機「バイラクタル」を使い、キーウに迫る戦車部隊を破壊しまくっていました。
トルコの独裁者エルドアンは、プーチンと仲良し。それでも、トルコはロシアに無人機を売っていません。困ったロシアにドローンを提供しているのが、イランです。
そんなイランですが、セルビアと同じ立場です。ホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は、クリミアとロシアが併合した4州(ルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン)について、「ロシア領と認めない」と断言しています。
【参照】Иран не признаёт вхождение в Россию Крыма и новых регионов