なにより重要なことは、政府が移民を拡大することだ。共働き夫婦をサポートし、子育て・家事を行うハウスキーパーや、その他の単純労働を担う外国人家事労働者を、海外から多数受け入れることが必要だ。これは、夫婦共働きでキャリアを築いている香港、台湾、シンガポールなどアジア地域では普通になっているモデルだ。
香港では、約30万人の外国人家事労働者がいる。1974年にその受け入れが始まった。その後、女性の労働人口が1986年の99万人から、2014年には189万人に増えた。労働人口に占める女性の割合も37%から49%に増加したのだ。
日本では、安倍政権時に「女性の活躍支援」の一環として、「国家戦略特区」での外国人家事労働者の受け入れが解禁され、外国人家事代行サービスが行われたことがある。だが、それはあくまでも例外的措置にとどまっている。
外国人のハウスキーパーの受け入れにはリスクがあるなど批判があるが、諸外国ではそのリスクへの対応も含めて、外国人家事労働者受け入れの経験を積み重ねている。日本でも、外国の経験に学び、これまでの発想を変える政策を打ち出す必要がある。
「結婚でファミリー所得倍増計画」は、これまで繁栄を築いた戦後日本の社会モデルを抜本から転換する大改革である。だが、この改革がなければ、日本は衰退の一途をたどるだけである。歴史、伝統、文化、そして思想信条の違いを超えて、国民全体で議論していくべきだと考える。
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