この戦争は、ナポレオン、ヒトラーとの戦いに相当
「これは国民戦争です。今この戦争はロシア社会にとって聖なる戦争です。ロシア社会はかろうじて第3次大祖国戦争に適応しようとしています。第1次大祖国戦争は1812年のナポレオンとの戦争で、第2次大祖国戦争は1941年~1945年の戦争です。私たちは欧米との戦争に入ったということを国民が理解し始めました。勝利するまでは欧米との交渉、ましてや操り人形のウクライナとの交渉はありえないということはわかっています」
ドゥーギンは、ウクライナ戦争を、ナポレオンやヒトラーとの戦いと同列にしています。しかし、ドゥーギンが語っていない、とても重要な事実があります。
ナポレオンは、ロシアに侵攻して敗北しました。ヒトラーも、ロシア(ソ連)に侵攻して敗北しました。しかし、ウクライナは、ロシアに侵攻していません。今回は、ロシアがウクライナを侵略したのです。だから、ウクライナ戦争を、ナポレオンやヒトラーとの戦いと同列にあつかうのは、正しくありません。
ロシアが勝つか、人類が滅亡するか
そして、ドゥーギンは、驚愕の戦争観を明らかにします。この戦争の結末は、二つしかないというのです。
ドゥーギン氏 「ロシアが勝利するか、人類滅亡になるかの2択です。3つ目のシナリオはありません。我々は勝利しなければ止まることがないのでこの戦争はいつまでたっても続く可能性もありますが、人類滅亡であっという間に終わる可能性もあります。西側がロシアかベラルーシに対して戦略核兵器、戦術核兵器を使えば、もうおしまいです。NATO諸国が直接参加すれば状況が緊迫化し終末の日が早まります。ロシアはこの戦争で負けることはないということを理解しないといけません。クリミアや4つの新しい地域だけを失うだけではなく、自分自身を失うからです。ロシアのすべての人がそれを分かっています。ウクライナは既に存在しません。もう終わっています。勝利することはありません。ロシアに負けるか、全人類とともに滅亡するかです」
ここ、何度も読み返してほしいと思います。この戦争の帰結は、
「ロシアが勝利するか、人類滅亡か」
二択しかないそうです。
なぜそういう結論になるのでしょうか?ロシアが通常兵力の戦いでいよいよ負けそうになったら、核兵器を使うからでしょう。そうなると、第3次大戦が勃発し、核の撃ち合いに発展し、人類は滅亡します。つまり、彼は「人類を滅亡させたくなかったらロシアに勝たせろ!」といっているのです。
これをなんといいますか?「クレイジーだ」ですね。
私たちは、こんな男が「プーチンのメンター」であることを覚えておく必要があります。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年2月15日号より一部抜粋)
image by: LCV / Shutterstock.com