トルコ地震被災者にヤラセ要求の中国。フェイクニュース捏造体質が治らぬ隣国

 

2018年9月、西日本を襲った台風21号によりタンカーが関西国際空港の連絡橋に衝突、多くの訪日客が関空に足止めされ孤立状態になったことがありました。このとき中国のSNSでは、「中国総領事館が空港にバスを手配し、中国人観光客を優先的に救出した」というデマが拡散されたのです。もちろん、そのような事実はありませんでしたが、台湾の一部メディアが真偽を確認せずに報じたことで、台湾人から「台湾の外交官は何をやっているんだ」と批判が殺到し、対応に追われた大阪の台湾弁事処(領事館)の代表が自殺するという悲劇を生んでしまいました。

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この中国のSNSで拡散されたデマにより、台湾人と政府が分断されてしまったわけです。今回のトルコの事案も、トルコ国民にトルコ政府への不信感と「信頼できる中国」を演出しようとしたという点で、極めて悪質です。

加えて、中国当局がこの機に乗じて「中国製吊り橋がトルコ大地震に耐えた」と喧伝したものの、それが嘘だったことも判明しています。

無恥! 中國官員謊稱為土國建造「世界主跨最長吊橋」 狠遭韓媒打臉

韓国の「朝鮮日報」によれば、2月13日、北アイルランド中国大使館の張美芳総領事が、ツイッターで世界最長の吊橋「チャナッカレ大橋」の動画を「チャイナテック(中国の技術)」というタグをつけて投稿し、160万件以上のアクセスを集めたそうです。

さらには、それをフランスの中国大使館の公式ツイッターアカウントが「トルコの中国の吊り橋が地震に耐えた」というキャプションとともにリツイートしたのです。

ところがこのチャナッカレ大橋は、韓国の大林産業(現DL E&C)と和SK建設(現SKエコプラント)が「チーム李舜臣」(このチーム名もどうかと思いますが)を結成し、日本企業を抑えて2017年に受注に成功、2022年3月に開通したものです。

韓国が「世界最高の優れた技術力」と自画自賛する吊り橋だけに、これを中国に「盗まれた」と憤慨するのも理解できます。しかも「朝鮮日報」によれば、この橋は今回の地震が発生したトルコ南部やシリア北部から1,000キロ以上も離れており、この橋を「地震に耐えた」と表現すること自体が大げさだということです。

ところでその韓国ですが、トルコへの救援物資の中身が問題となっています。韓国のニュース専門放送局「YTN」によれば、仁川空港近くの国際物流会社では、全国から送られてきた救援物資を再梱包してトルコに運んでいますが、寄付された救援物資に汚れた洗濯物が大量に混ざっており、物流会社がゴミ処理場と化しているそうです。

南韓援助土耳其物資 驚見髒汙衣物、變成垃圾處理中心

記事によれば、全国から送られた救援物資は40トン近くになるものの、そのうち10%は、汚れた衣服や冬には役に立たない夏服などであり、物流会社ではこのゴミ同様で現地に送ることができない廃棄物をどう処理するかで頭を悩ませているとのこと。

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