共働きなら退職金が3600万円分も運用可能に。新NISAをお得に賢く使う方法は?

 

では現行のNISAはどうなるのか?

この新しいNISAは、2024年1月からのスタートになります。

では、現行のNISAはどうなるのかというと、そのまま継続されることになります。現行のNISAは、2024年以降は新しく申込みはできませんし、ロールオーバーをすることもできません。

現行NISAと新しいNISAは別枠なので、2つの口座が存在するということです。現行NISAが終わるまでは、非課税枠で運用されます。ただ、ロールオーバーができないので、2023年に「一般NISA」で投資をした人は、5年間で終わりになります。

現行の「つみたてNISA」も2024年からは新規の買い付けはできません。しかし、20年間は非課税のまま運用ができます。「一般NISA」よりも長く運用できるので2023年にNISAを利用するとしたら「つみたてNISA」の方がいいでしょう。

シニアにとって「新しいNISA」のかしこい使い方とは

とっても使いやすくなった「新しいNISA」は、さまざまな使い方ができるようになりました。

非課税投資ができるiDeCoへの加入が難しいシニアにとって、この「新しいNISA」が非課税商品として、とても役立つものになるでしょう。

「新しいNISA」のかしこい使い方をいくつか説明をしてみます。

まずは、まとまったお金が入ってくる「退職金」です。「退職金」は、必ずしも運用して増やす必要はありませんが、すぐ使わないのであれば、かしこく運用をしたいですね。

「新しいNISA」は、限度枠が1,800万円なので、退職金をまるまるNISAで運用することが可能になります(夫婦の2人分の限度枠では3,600万円になります)。

年間の枠は360万円なので、5年間にわけて投資をすれば限度枠の1,800万円に達します。そうすると、あとは何もしなくても非課税で運用できるということになります。そして、必要になったら換金すればいいのです。

また、成長投資枠を使って、高配当株を中心の投資をする方法もあります。そうすると非課税の配当を受け取ることができるので、それを生活資金の足しにすることができます。そのことにより投資した元本をあまり換金しなくてもよくなるのです。

また、預金の代わりにNISAを利用するという考えもできます。できるだけリスクの少ない商品で運用すると、預金よりも増えます。もし、要介護になって、まとまったお金が必要になったときには、このNISAを換金して介護費用にまわすこともできます。さらに有料老人ホームなどの入居金に使うための資金として、この新しいNISAを利用するという方法もあるでしょう。

限度額が広がり恒久的で、しかも限度枠が簿価の計算ということで、運用ではさまざまな運用方法が可能になりました。この期にご自分にあった使い方を考えてみてはいかがでしょうか?

プロフィール:長尾 義弘(ながお・よしひろ)
ファイナンシャルプランナー、AFP、日本年金学会会員。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『最新版 保険はこの5つから選びなさい』『老後資金は貯めるな!』『定年の教科書』(河出書房新社)、『60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)。共著に『金持ち定年、貧乏定年』(実務教育出版)。監修には年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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長尾 義弘

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