さて、この夫婦は平成30年6月中に離婚する事になり、夫婦の話し合いで離婚分割(合意による分割)をする事になりました。
分割割合は50%(半分)という事になり、公正証書(このような公文書ではなく夫婦お互いに年金事務所に出向いて合意書に書いてもらってもいい)も用意して後は年金事務所に提出するだけでした。分割の請求ができるのは離婚してから2年以内が時効となっています(平成20年4月以降の国民年金第3号被保険者があるので3号分割が出来そうですが、合意分割のみで進めました)。
離婚してもらえる記録を計算してみましょう。
まず、3号分割せずに合意分割のみなのですが、平成20年4月1日以降の第3号被保険者期間がある場合はまず、3号分割をやります。
合意分割する時に3号分割できる期間がある時は、「3号分割請求があったもの」としてまず3号分割で強制的に3号分割します。
すると、平成20年4月から平成30年5月までの記録(平均50万円×122ヶ月=6,100万円)を強制的に半分の3,050万円分割。
強制的な3号分割をするとA夫さんは3,050万円の記録を手に入れて、妻B子さんは3,050万円+8,756万円=1億1,806万円となります。B子さんが稼いだ1億4,856万円から1億1,806万円に減りましたね。
で、それから次にこれを合意で50%分割に移ります。
そうすると、夫婦で同じ報酬総額にならないといけないので、夫3050万円+妻1億1,806万円=1億4,856万円×50%=7,428万円となります。
あれ?この事例なら単純に妻の稼いだ記録を半分を夫に渡せばいいだけじゃないの?と思われたかもしれませんが、まず順序として3号分割をしてから、合意分割に進むという過程を示したかったからですね^^;―― (メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2023年2月22日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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