「エホバの証人」元信者の男女6人が射殺。なぜ“かつての仲間”は狙われたのか?

 

3.サタンになら何を言ってもOK。平気で他人を傷つける信者たち

反対する人たちをサタンとみた彼らの言動は、多くの人の心を傷つけ、社会との軋轢を生む結果に

常に自分たちが上の立場であり、サタンの側の私たちは下の立場なので、相手の心を傷つけるような言葉を信者らは平然と話します。ネット上などでも、教団に反対する人や、教団を脱会した人に向かっての容赦ない言葉も多く、心無い言葉を受けて傷ついてしまう人もいます。ひどいのは、自らが教団信者でありながら、それを(正体を)隠して、一般人のフリをして発言、攻撃する人たちです。

私も信者時代は、自分の家族は教団に反対していたので悪魔の側として捉えて、家族には本当に心を傷つけるような言葉を吐いてきました。相手がサタンであるととらえているゆえに、何をしても良いような行動してしまうのです。

そうした一つ一つの言動が、一般人たちの心を傷つけていく。その結果、教団はどんどん敵視される方向に行ってしまいます。しかし当人たちは、自分たちは善行をしている思っているので気づきません。しかし必ずや、そうした心無い言葉や攻撃的な言動は、自分たちのもとに跳ね返ってきてしまうものです。「サタン分別」などといいますが、人と人との心の分断を指導することはやめてほしいと思います。

4.この世の法より自らの教義を優先するカルトの人々

エホバの証人の教えでは、近い将来にハルマゲドンが起こり、エホバの証人の教えを信じた者以外はすべて滅びるという思想があります。ここにあるのも、神(エホバ)に選ばれたという選民思想です。元信者の話を聞くと、自分たちのコミュニティの人たちの交流を優先させられて、一般社会の人たちとのかかわりを制限されていくといいます。

旧統一教会においても同じです。

私も信者時代は、一般社会に勤めながら教団に通った時期がありましたが、信仰の篤い人ほど仕事が終われば、ホームという教団の施設に一目散に帰ってきて、街頭での伝道や、電話によるアポイント活動をさせられました。つまり、教団の活動を優先にしなければなりません。土日は街頭に出ての伝道活動をしました。教義を信じれば信じるほどに、しだいに、社会の人たちとの人間関係は疎遠になっていきます。

エホバの証人の方は伝道活動にも熱心ですので、この辺りは、非常によく似ています。

外界の人たちの交流を断たれていくことは、カルト団体の特徴であり、社会性を失い、周りの人たちとの軋轢を生む大きな要因になっています。

カルト団体に向けられて起きる悲劇を防ぐためにも、法律などを通じて、社会的に教団の行き過ぎた行動に歯止めをかけてあげることです。そして社会の人たちとの軋轢を生じさせないように促すことこそが大事になります。

そうしたなかで、旧統一教会問題のような高額献金を規制する救済新法もできました。しかし、この世の法律より、天法(自らの教義)を優先するのが、カルト思想の常なので、まったく意に介していないと思います。ですので、組織に対して、いかにして法律を遵守させるか、カルト思想を持つ団体を宗教団体として認めている日本人が真剣に考えていかなければならないことです。

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