プーチンがウクライナの次に狙うは、NATO非加盟の「侵略しやすい国」

 

ロシアの「モルドバ衛星国計画」

さて、プーチンには、「モルドバを属国化する計画がある」ことが暴露されました。中央日報3月16日から。

ロシアが2030年までにウクライナと国境を接したモルドバを衛星国化する具体的な計画を持っているという暴露が出てきた。

 

ヤフーニュースが14日にウクライナメディアのキーウインディペンデント、独日刊紙南ドイツ新聞などで構成された国際ジャーナリストコンソーシアムとともに入手した文書によると、ロシアは7年以内にモルドバから西側の影響力を完全に遮断し親ロシア政府を建てる計画だと明らかになった。

 

2021年にプーチン大統領直属の対外協力局から流出したと推定されるこの文書の核心は、モルドバをロシアの衛星国にするというものだ。

 

分野を政治・軍事部門、経済部門、文化部門の大きく3通りに分類し、時期を短期(2022年)、中期(2025年)、長期(2030年)に分けて細部目標を設定したという点でベラルーシ文書と構成が同じだ。文書作成にはロシア連邦保安局(FSB)と対外情報局(SVR)が関与したことが把握された。

 

プーチン大統領の最優先目標は「モルドバの内政に干渉して影響力を強化しようとする米国、欧州連合(EU)、トルコ、ウクライナなどに対応すること」だ。このためモルドバ議会などにロシア側関係者を送り込み、究極的には親ロシア政府を樹立して事実上ロシアがモルドバを思うままにするという計画だ。

 

クレイマー元米国務次官補は「この文書にはモルドバを独立国と認めず衛星国として扱おうとするプーチンの強い意志が込められた」と分析した。

この文書は、2021年以前に作られたものなのでしょう。2022年のウクライナ侵攻で、モルドバは、EU加盟申請を急いだ。つまり、ゆっくり工作している時間がなくなった。それで、モルドバでの工作を急ぐことになった。読売新聞オンライン2月14日。

ウクライナの隣国モルドバのマイア・サンドゥ大統領は13日、ロシアがモルドバでクーデターを計画していると指摘した。サンドゥ氏は記者会見で、軍事訓練を受けたロシア、ベラルーシ、セルビアなどの外国人が非武装の市民を装って政府機関の建物を攻撃して人質を取り、ロシアが支配する非合法政府に体制を転換する計画をロシアが企てていると述べた。

というわけで、ロシアは、モルドバで親欧米派サンドゥ政権打倒のクーデターを画策しているようです。

日本には、「欧米がウクライナに武器を供給するから戦争が長引く」などと、トンチンカンな主張をする人たちがいます。

もし欧米がウクライナに武器支援をしなければ、ロシアはウクライナ全土を制圧し、今頃モルドバ侵攻を開始していたことでしょう。

欧米がウクライナに武器を支援しているおかげで、プーチンは、モルドバに進めないでいるのです。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2023年3月16日号より一部抜粋)

image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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