「公務員は年金が高い」は過去の話?共済年金と厚生年金の現実

 

2.厚生年金に統合される前の共済年金と厚生年金両方の受給者

〇昭和24年4月6日生まれのA美さん(令和5年に74歳)

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高校卒業した月の翌月である昭和43年4月から昭和61年3月までの216ヶ月(18年)は国家公務員共済組合でした。この間の平均標準報酬月額は35万円とします。

昭和61年4月からは専門学校に通うようになり、昭和63年3月までの24ヶ月は国民年金任意加入だったのですが任意加入せず(カラ期間にはなる)。

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※ 参考

専門学校生は通常は国民年金強制加入でしたが、昭和61年4月から平成3年3月までは任意加入扱い。定時制、夜間、通信などの学生は任意加入はありませんでした。

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昭和63年4月から平成15年3月までの180ヶ月間は国民年金保険料を未納。

平成15年4月から60歳前月の平成21年2月までの71ヶ月間は厚生年金に加入しました。この間の平均標準報酬額は16万円とします。

さて、この生年月日の人であれば60歳(平成21年4月)の翌月からの支給ですね。

その前に年金の受給資格があるかを確認します。平成29年8月になる前なので、全体で10年ではなく25年(300ヶ月)あるかで見ます。

そうすると共済216ヶ月+カラ期間24ヶ月+厚年71ヶ月=311ヶ月なので300ヶ月以上あるため、60歳からの支給開始年齢から年金が貰える(20歳前と60歳後の共済や厚年期間は年金の受給資格を見る時は実際はカラ期間となりますが、記事の複雑を避けるため20歳前もそのまま共済期間として表示しています)。

国家公務員共済と厚年期間があるので両者からの年金が支払われます。

まず国家公務員共済からの退職共済年金(特別支給の退職共済年金。以下、退職共済年金とします)

先に注意点ですが、支給開始年齢を見る時は厚生年金の男子の支給開始年齢と同じところを見なければいけません。

厚生年金受給開始年齢(日本年金機構)

A美さんは女子なので、よくある厚生年金支給開始年齢の女子の方を見てしまいますと間違ってしまいます。

共済の女子支給開始年齢は厚生年金の男子の方を見ましょう。

  • 退職共済年金→35万円×7.125÷1,000×216ヶ月=538,650円
  • 職域加算→35万円×0.713÷1,000×216ヶ月=53,903円

次に厚生年金からの特別支給の老齢厚生年金(以下、老齢厚生年金とします)。

  • 老齢厚生年金(60歳から報酬比例部分)→16万円×5.481÷1,000×71ヶ月=62,264円
  • 老齢厚生年金(62歳から定額部分)→1,621円(令和4年度定額単価)×71ヶ月=115,091円

よって、60歳からの年金総額は退職共済年金538,650円+職域加算53,903円+老齢厚生年金62,264円=654,817円

62歳になると老齢厚生年金(定額部分)115,091円も付いて、年金総額は769,908円となります。

定額部分発生年齢は支給開始年齢表を見て確認しましょう^^

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