「公務員は年金が高い」は過去の話?共済年金と厚生年金の現実

 

その後、65歳(平成26年4月)になると老齢基礎年金が支給開始となります。

基礎年金は20歳になる昭和44年4月から60歳前月の平成21年3月までの480ヶ月間の加入記録で計算します。

  • 老齢基礎年金→777,800円(令和4年度満額)÷480ヶ月×(共済204ヶ月+厚年71ヶ月)=445,615円

よって、65歳からの年金総額は退職共済年金(報酬比例部分)538,650円+職域加算53,903円+老齢厚生年金(報酬比例部分)62,264円+老齢基礎年金445,615円=g円(月額91,702円)

(差額加算を共済と厚年それぞれ計算しなければいけませんが少額のため、計算を割愛しています)

特にまた再就職とか記録が訂正されたとかでなければ、この年金額が一生涯続きます。

被用者年金一元化された平成27年10月の前に既に65歳になってしまっているので、そのまま共済は退職共済年金という年金を貰い続ける事になります(老齢厚生年金ではありません)。

ちなみに配偶者加給年金は?と思われたかもしれませんが、それは付きません。

共済期間が216ヶ月と、厚年71ヶ月の合計287ヶ月有ります(20年超え)が被用者年金一元化前は両者を合わせて20年あったら良いという事にしていなかったので従来の人は配偶者加給年金は加算されません。

もし配偶者加給年金を付けたい場合は、共済もしくは厚年のどちらかで20年以上を満たす必要がありました。

配偶者加給年金は付きませんが、もし夫に配偶者加給年金が付いていたならば、A美さんの老齢基礎年金に振替加算が付く場合はあります(A美さんの生年月日による)。

※ 注意

A美さんは共済期間が18年有ります。

厚生年金の制度には20年無くても18年で20年加入したものとみなして(中高齢者特例という)、配偶者加給年金を付ける事がありますが、共済にはそのような制度はありませんでした。

なお、通常の厚生年金の中高齢者特例(昭和26年4月1日以前生まれの人に限る)は女子(A美さんの生年月日による)は35歳以上に18年以上、男子だと40歳以上で18年以上必要になります。

いずれにしても、A美さんには中高齢特例は適用されません―― (メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2023年3月22日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
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