「公務員は年金が高い」は過去の話?共済年金と厚生年金の現実

 

昭和61年4月1日からはどんな職種であろうと国民年金に加入して、65歳になったらみんなが共通の基礎年金を貰おうねという事になり、報酬比例部分は老齢厚生年金とか退職共済年金として受給しようという形に変化しました。

この時に共済が原則として厚生年金の計算式に合わせる事になり、水準も同じという事になりました。

例えば共済が「報酬比例のみ」で100万円支給で、厚生年金は「基礎年金と報酬比例」で80万支給となる厚生年金計算式に合わせると、共済年金も80万円という事になります。

厚年に計算式を合わせたとはいえ、従来は共済が20万円高かった分はどうするのかというと、ココは職域加算年金という事で共済独自に支給する事になりました(まあ、サラリーマンへの支給である厚生年金も基金加入してる会社が多かったので、公務員のほうが年金は多かったと一概には言えなかったですけどね^^;)。

そのような差は残りましたけど、本質的な部分である「報酬比例部分+国民年金からの老齢基礎年金」という形は昭和61年4月1日から共通となりました。

共済の加入期間も、厚生年金と同じくすべての給与の平均を取るという事になりました。

ついでに配偶者加給年金も共済の期間が20年以上あれば年金(退職共済年金)に加算されるようになりました。

昭和61年3月31日以前までは共済年金はわざわざ加給年金など付ける必要は無かったという事ですね。

このように昭和時代の厚年と共済は、同じようにどこかに雇用されて働く人に支給される年金なのに年金の仕組みに差があったものの、昭和61年4月以降は統一の方向に向かっていきました。

年金計算の面ではそのような差を解消したものの、法律的な違いは残ったままでした。先ほどのように遺族年金や障害年金の過去の保険料納付要件のようにですね。

時は経ち、平成27年10月(被用者年金一元化)になるとそのような細々とした違いも厚生年金に合わせようという事になりました。

平成27年10月以降は公務員も共済加入ではなく、厚生年金の被保険者扱いとなったのです。厚生年金の被保険者になったから厚生年金のルールに合わせる事になりました。

逆に共済年金のルールに合わせたのもあります。例えば端数処理ですね。

端数処理は2ヶ月ごとに支払う年金の1円未満は完全に切り捨ててましたが、その切り捨てた分は合計して2月15日支払いの時に支払いますよという事になり、端数処理による数円程度の損も無くなりました。

共済も厚年に統一したので、将来は公務員だった人も老齢厚生年金を受給するという事ですね。

それまでの共済年金というのは退職共済年金と呼ばれていました。

さて、現在は平成27年10月を機に共済の人も将来は厚生年金を受給するようになったのですが、そうではない人も居ます。

年金制度によくありがちですが、法改正した時に既に従来のやり方で年金を貰ってる人はそのまま従来のやり方で支給しますねという経過措置が存在する事が多いので、平成27年10月以降は公務員の人もみんな厚生年金になったんだ─というとそうではない事も有ります。

よって、気を付けたい違いを事例で比較してみましょう。

この記事の著者・hirokiさんのメルマガ

登録はこちら

print
いま読まれてます

  • 「公務員は年金が高い」は過去の話?共済年金と厚生年金の現実
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け