客足の増加だけじゃない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得した飲食店の大きな変化

 

簡単に真似ることができない手づくり餃子

「GYOZAMANIA西荻窪」という店が『ミシュランガイド東京2019』でビブグルマンを獲得した。同店は「餃子居酒屋」だが、餃子の注文を受けたら餃子の皮を店内でのばして餡を包むという店内手づくりが特徴。焼き餃子、水餃子とも皮がふわりとして食感が軽く、肉汁がしっかりと閉じ込められている。このような工程をとらない餃子とは明らかに違う。

マニアプロデュースの「餃子マニア」各店舗では、注文があってから餃子の皮をのばして餡を包んでいる

マニアプロデュースの「餃子マニア」各店舗では、注文があってから餃子の皮をのばして餡を包んでいる

同店を営むマニアプロデュースの代表、天野裕人氏さん(41)がこのメニューと巡り合ったのは、前職の外食企業(エー・ピーホールディングス)で北京事業を担当していた当時のこと。住んでいたマンションの下で営業していた屋台がこのような餃子の調理方法をしていて、それがとてもおいしかった。2017年に独立するときにこの屋台のことを思い出した。

飲食業のヒット業態は真似られることが多いが、この「注文があってから餃子の皮をのばして餡を包む」という面倒な調理方法は真似られることはないと想定していた。そして、実際に真似るところは現れていない。餃子居酒屋という業態は2010年以降急激に増えていったが、この餃子の提供方法は同じ業態でくくられても一線を画している。

「餃子マニア」の水餃子の一例。皮の食感が軽くて肉汁が詰まっているのが特徴

「餃子マニア」の水餃子の一例。皮の食感が軽くて肉汁が詰まっているのが特徴

東京・西荻窪の店は2019年に引き払って同社は拠点を東京・品川に移している。2020年6月に「餃子マニア品川本店」をオープンして30坪72席の店舗は20代30代の女性を中心に連日にぎわっている。客単価は3,100円。焼き鳥や串カツと似たような大衆的な価格であっても餃子の専門性が高いことがこれらの客層から人気となっている秘訣であろう。

「餃子マニア品川本店」の店内。シュールな雰囲気で非日常感を醸し出している

「餃子マニア品川本店」の店内。シュールな雰囲気で非日常感を醸し出している

「餃子マニア」のフードのメニュー表。メニューが絞り込まれて選びやすく客単価は3,100円となっている

「餃子マニア」のフードのメニュー表。メニューが絞り込まれて選びやすく客単価は3,100円となっている

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