客足の増加だけじゃない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得した飲食店の大きな変化

 

コロナ禍にあっても業容を倍にする

その同社の8店舗目「韓国スタンド@(アットマーク)」が昨年11月東京・学芸大学にオープンした。韓国料理を提供する立ち飲みで、既にリピーターに加え遠方からお客がやってくる繁盛店となっている。

SOME GET TOWNが昨年11月東京・学芸大学にオープンした「韓国スタンド@」。韓国料理の立ち飲みで客単価3,300円程度

SOME GET TOWNが昨年11月東京・学芸大学にオープンした「韓国スタンド@」。韓国料理の立ち飲みで客単価3,300円程度

同店の店長、竹口美穂さん(43)は兵庫・淡路島の出身。大阪でOL勤めをしたのち東京に出てカジュアルレストランでサーバーをしていた。本格的に飲食の道を志すようになり、仕込みから調理も行う介護施設の飲食部門に就職。子供の頃から韓国料理に親しんでいたことから、韓国料理の技術を身に付けようと考えた。介護施設の勤務が早番で午後4時に終わることから、夜の時間に韓国料理店で働こうと、見つけた職場が恵比寿の「韓国食堂入ル坂上ル」であった。しかしながら、コロナ禍に見舞われる。店は休業するようになり、竹口さんは本業の介護施設に専念するようなった。

そしてコロナ禍が落ち着いてきた昨年、竹口さんは山崎代表から「うちの会社で新しい店をやらないか」と声を掛けられた。そして、物件探し、契約業務、業者との交渉、メニューづくりに至るまで山崎代表と行動を共にした。

参鶏湯はSOME GET TOWNの看板メニュー。「韓国スタンド@」でもメインに位置づけられている

参鶏湯はSOME GET TOWNの看板メニュー。「韓国スタンド@」でもメインに位置づけられている

山崎代表は「私は人材ありきで出店を考えている。恵比寿も学芸大学の店も任せてみたい人材にお願いした」と語る。ちなみに同社は8店舗展開しているが女性店長は4人存在する。母・朴三淳をリスペクトするマインドが、仕事にひたむきな女性を重用する社風を築き上げているのだろう。

SOME GET TOWNの原点である朴三淳さんはキャラクターとなってさまざまなところで生かされている

SOME GET TOWNの原点である朴三淳さんはキャラクターとなってさまざまなところで生かされている

そして山崎代表は「人間力重視経営」を標榜している。8店舗中の4店舗はコロナ禍にあった3年間で出店したもの。従業員も社員16人、アルバイト37人となった(2023年2月末現在)。3カ月に1回店長以上がリアルに集まるようにして、チームとなって課題を解決する「ワーク」に取り組んでいる。強い商品力、ビブグルマン獲得の知名度によって人材が集まるようになり、さらに強い組織を築き上げるように心掛けている。

昨年6月から3カ月に1回行われている店長の「ワーク」によって密接なコミュニケーションが図られている

昨年6月から3カ月に1回行われている店長の「ワーク」によって密接なコミュニケーションが図られている

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