コロナのニュースすら流れない国も。ちっとも「脱マスク」が進まぬ日本と海外の差

Shibuya,City,,Tokyo,,Japan,-,November,6,2022:,A,Crowd
 

3月13日より我が国でも「個人の判断」となったマスクの着用。しかし未だ脱マスクの流れは緩やかなままという状況が続いています。そもそもなぜ政府は、突如「マスク解禁」へと急ハンドルを切ったのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、日本と海外それぞれの脱マスク事情を紹介。さらに政権がノーマスクの方針を打ち出した「政治的意図」を解説しています。

それがいちばん難しい。「個人の判断」で脱マスクはどこまで進むのか

新型コロナウイルス対策としてのマスクの着用が、3月13日から、屋内外を問わず「個人の判断」となった。

医療機関の受診時や混雑した電車・バスの乗車時などは引き続き着用が推奨されるものの、日常生活では基本的に“一人ひとり”がマスクを着用するか、決める。

政府はこれまで、他人とおおむね2メートル以上の距離が取れない場合にマスクの着用を推奨してきた。しかし13日からは、高齢者など重症化リスクが高い人への感染を防ぐため、着用の推奨は、

  1. 医療機関の受診時
  2. 医療機関や高齢者施設への訪問時
  3. 通勤ラッシュなど混雑した電車やバスに乗車する時

の三つの場面に限定。またこれからも感染の流行時、重症化リスクの高い人が混雑した場所に外出する場合は、自分の身を守るために着用が効果的と呼びかける。

国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、朝日新聞の取材に対し、

「どんな感染症でもマスクが大事というわけではない。ただ、新型コロナについては、その特徴をふまえると、マスクの効果が期待できる」(*1)

とする一方、

「感染状況が落ち着いている現在は、マスクを外すことにさほど神経質になる必要はない」(*2)

とする。

目次

  • ディズニーランドは「個人の判断」。判断分かれる日常生活の現場
  • コロナがニュースにすらならない国も。ここまで違う海外マスク事情
  • 「政治判断」で危険な橋渡るも「政治責任」は取らぬ岸田首相

ディズニーランドは「個人の判断」。判断分かれる日常生活の現場

マスクの着用が3月13日から個人の判断に委ねられることを受け、日常生活における現場ではとくに顧客に対する着用の呼びかけをやめるといった運用の指針の変更が相次ぐ。

ただ、政府は高齢者などへの配慮は引き続き必要であるとし、業界によっては、着用のルールの緩和に慎重な現場も残る。

3月9日、オリエンタルランドは東京ディズニーランドと東京ディズニーシーでのマスク直用について、13日からは入園客や従業員の判断に委ねると発表。

業界団体のガイドラインの見直しを踏まえたもので、ホテルやモノレールの車内でも着用を求めない。

百貨店やスーパーを含む小売業界の12の団体も、2月の下旬、

「顧客に常時正しく着用するよう依頼する」

としてきたガイドラインを、

「統一的な着用推奨は行わない」

に変更。

日本ホテル協会も、レストランや宴会場での飲食時にマスクをつけなくてよい運用にする。

一方、引き続き顧客にマスクの着用を求めるところも。演劇の製作会社や劇団などでつくる「緊急事態舞台芸術ネットワーク」は、ガイドラインに、

「主催者の判断で着用の推奨を継続することもできる」

と盛り込んだ。実際、松竹は13日以降も、劇場内ではマスクの着用を推奨するという(*3)。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • コロナのニュースすら流れない国も。ちっとも「脱マスク」が進まぬ日本と海外の差
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け