このように、日本人が日本の技術・設備を人件費と製造コストの低い国に持ち込み、日本人が作成した仕様書と日本人が指定した原材料によって安価な製品を製造し、「日本市場のみ」に向けて輸入販売することで、日本各地の産業を衰退させる構造を持つ貿易手法を、私は自著『コスパ病』の中で「自損型輸入」と名付けました。
これらの製品は原材料の生産、栽培、加工、製造工程において日本に1円の経済効果ももたらさず、安さと機能性を兼ね備えた「コスパ」を武器に国内のあらゆる業界を圧迫してきました。
実際、業界シェアランキングを見ても、自損型輸入を行う均一ショップや衣料品、生活雑貨、家具、作業用品関連業者が上位に名を連ねています。
消費者は嬉々としてコスパを求めて「和製メイド・イン・チャイナ」の製品を買い漁り、メディアもそれを「プチプラ(低価格を表す俗語)」などと言って持て囃しています。
何千万人という消費者が、こぞって自損型輸入製品を買い漁ってきたことによって、私が拠点とする九州だけでも既に多くの産業と産地が衰退し、消滅の瀬戸際に追い詰められつつあります。
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