自己啓発本をどんなに読んだところで人生が変わらない理由

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書店には多くの自己啓発書が並んでいますが、それらを読んでも変わることができない─という人が圧倒的多数でしょう。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、 そんなお悩みをもつ人への処方箋的な一冊です。

自己啓発で人生は変わらない?⇒『HELP!「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案』

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HELP!「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案

オリバー・バークマン・著 下隆全・訳 河出書房新社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『限りある時間の使い方』の著者、オリバー・バークマンの第一作。

100冊以上の有名自己啓発本を批判し、著名なベストセラー作家、自己啓発家を震え上がらせた内容で、読んでいて痛快ですらあります。

【参考】『限りある時間の使い方

著者は、ケンブリッジ大学社会政治科学部で学位を取得した秀才で、イギリスの全国紙「ガーディアン」の記者。

ウィットに富んだエッセイで知られる書き手ですが、最初の本ということもあってか、本書の論調は特に痛烈です。

アンソニー・ロビンズ、デール・カーネギー、ナポレオン・ヒル、ブライアン・トレーシー……。

自己啓発書好きなら一度は読んだことはあるだろう著者らの主張を科学的に論破し、何が真に役立つアドバイスなのか、信頼できる情報源を紹介しています。

単に著者の好みだろうと思われる内容もありますが(特にGTD)、概ね的確な指摘だと思います。

・「快適ゾーン」「不快ゾーン」二元化の罠
・「いつもの自分」の無意味さ
・“○日で人生が変わる”という呪文
・“死ぬまでにしたい○○”の安直な満足感

本当に、目次を読んでいるだけでゾクゾクしてきますね(笑)。

自己啓発書を否定しながら、結局本書自体が自己啓発的ですが(笑)、成功へのアプローチを変え、人生を多面的に見る、良いきっかけが得られると思います。

著者が自己啓発書の代わりに推薦した情報源をチェックすれば、より信頼できる読書リストが手に入る、という点で、読書ガイド的な内容でもあります。

もうちょっと科学的根拠が詳細に示されていれば、より良い本になったと思いますが、この荒削り感が処女作らしくていいですよね。

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