立憲の腰砕け。野党第一党が聞いて呆れる「岸田軍拡」擦り寄り姿勢の醜態

 

「武器輸出3原則」見直しの扉をこじ開けた野田政権

外務・安保戦略PTの文書はまた、こう言っている。「真に必要な予算について積み上げた結果、防衛費の一定の増額につながったとしても理解できる」「しかし、GDP比2%や5年で2倍という増額目標については、最初から数字ありきにすぎず合理性に欠ける」「政府が防衛費のベースを大幅に上げるのであれば、恒久財源を充てるのが財政規律上、当然である」と。

これ、一体何のことか分かりますか。まず、防衛費の増額は理解する。しかしその増額は、いきなり「2%、2倍」と中身抜きで大枠の数字から決め込むのはダメで、「一定」でなければならない。しからば「一定」とはどのくらいのことなのか。

その次の一文は謎めいていて、「立憲としては『一定』で止めるべきだと思うが、それでも政府が……大幅に上げるのであれば」と、仮定の話のような言い方で、しかしそれに反対するのではなく、仕方なく(?)容認し、ただしその財源は「恒久財源を充てるのが当然」と条件を付けているだけである。

さらに「防衛産業の衰退が顕著なので、国内調達比率の増加、長期安定契約など調達のあり方と適正価格のあり方の検討、研究開発費の支援を行うなどすべきである」とも言っている。自民党は武器禁輸3原則を改めて殺傷兵器の輸出を解禁しようとしているが、防衛産業を救済しようとすれば国内需要だけではどうにもならず、必ずそこへ辿り着く。立憲はそれに反対する姿勢を持っているのかどうか。昔、同盟傘下の金属労組が「武器輸出を解禁して賃上げを」という春闘スローガンを掲げて世間を驚かせたことがあるが、その体質を受け継いでいる連合労組がこう言い出したら立憲は拒めないのではないか。

ちなみに、佐藤・三木内閣以来の「武器輸出3原則」見直しの扉をこじ開けたのは、他ならぬ野田政権である。2011年12月に当時の藤村修官房長官が「包括的な例外協定」を結ぶことで武器輸出を事実上解禁する案を発表、それを受けて安倍政権が14年4月、同3原則を廃止しそれに代わる「防衛装備移転3原則」を閣議決定した。

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