百貨店出店にまで拡大した「売らない店」の伸びしろに集まる注目

New York - December 31, 2019: Visitors to the b8ta store in the Hudson Yards Mall in New York. b8ta is a San Francisco based company operating several retail stores which serve as presentation centers
 

顧客データの重要性

このように、売らない店は、顧客体験価値をアップすることができることに加えて、顧客のデータ、特に“質的な情報”を得ることもできます。

顧客データを集める利点としては、

1.パーソナライズされた推奨ができること

顧客の購買履歴や行動パターンを理解することで、個々の顧客に合わせた商品やサービスを、提案することができます。売上増加だけでなく、顧客の満足度も高めます。

2.マーケティング戦略の最適化もできる

顧客の反応を分析することで、どの広告やプロモーションが効果的なのか、どのように改善すべきかを理解することができます。

顧客の好みやニーズを理解することで、店舗のレイアウトやサービスを改善し、顧客体験を強化することもできます。

3.在庫管理の改善

顧客の購買傾向を把握することで、どの商品がよく売れ、どの商品が在庫に余裕があるのかを、理解することができます。

これにより、在庫の過剰や不足を防ぎ、経営効率を向上させることができます。ユニクロは自らを情報小売業だ、と定義していますが、この辺りを徹底していますよね。

小売業者が顧客データを活用することは、ビジネスの成長と競争力強化に役立つのです。

ITがここまで日々の生活に浸透してくると、顧客は、ネットとリアルの境目を、分けて考えなくなります。

リアルかECかを分けて考えるのは、事業者側だけなのです。

顧客がニーズを感じ、探し、買う、という一連のプロセスでは、その境目を感じない、いわゆる“シームレス”になっています。

ここで重要なことは、どこででも売れる、と考えるのではなく、顧客が「どこででも、探して、買えて、受け取れる」にはどうすればいいのか?と、顧客を主語にして考えることです。

その意味では、この売らない店は、本来のオムニチャネルに近いですよね。

これから伸びるでしょうし、注目したいと思っています。

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image by: Frank Gaertner / Shutterstock.com

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