百貨店出店にまで拡大した「売らない店」の伸びしろに集まる注目

New York - December 31, 2019: Visitors to the b8ta store in the Hudson Yards Mall in New York. b8ta is a San Francisco based company operating several retail stores which serve as presentation centersNew York - December 31, 2019: Visitors to the b8ta store in the Hudson Yards Mall in New York. b8ta is a San Francisco based company operating several retail stores which serve as presentation centers
 

最近増えているという「売らない店」をご存知でしょうか? 百貨店にまで拡大しているというこの店舗形態について今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』で、著者の理央さんが紹介しています。

なぜ売らない店が増えているのか?百貨店に学ぶ真のオムニチャネルと顧客体験の重要性

“売らない店”が百貨店へ拡大しています。

米国発のスタートアップ企業の、b8ta(ベータ)というD2C企業が火付け役で、自ら出店していることに加えて、そのノウハウの外販を始めたとのことです。

「売らない店」のコンセプト

「売らない店」とは文字通り、商品を直接販売しない店舗のことを指します。

ここでの主な目的は商品を売ることではなく、商品の魅力を伝え、その価値を顧客に理解してもらうことになります。

顧客が店舗で試着や試食など実際に体験し、自然な購買体験の中で、その商品の価値を感じてもらうことで、購入意欲を高めることができるのです。

このショールーム機能に特化したリアル店舗で、店舗ではみたり触ったりでき、実際に買うのはオンラインで、というような形態の小売業になります。

日本経済新聞の5月10日の記事によると、実際に、先程のベータだけでなく、高島屋、大丸百貨店では、自店舗にショールーム機能に特化した店舗が、テナントとして入っています。

ユーザーエクスペリエンス(UX)の重要性

「売らない店」を成功させるには、ユーザーエクスペリエンス(UX)、すなわち店頭での顧客体験の“質”が、大きな鍵になります。

たとえば、店舗自体が商品を引き立てる、舞台装置となるようなデザインの独自性が重要です。

来店者がブランドの世界観をリアルで体感できる、特別な体験を提供することが大事です。

スタッフとの対話も重要です。スタッフは商品の価値を伝えるための、重要な役割を果たすことはいうまでもありません。

商品知識だけでなく、人間的な魅力や対話能力を、兼ね備えていることが求められます。

この対話が大事ですよね。売り込みやアドバイスするのではなく、適切なタイミングで、顧客と会話のキャッチボールをすることになります。

ECにはできないことなので、とても重要なポイントになります。

実際に商品を触ったり、操作したりする、体験型のデモンストレーションができることも重要です。

訪問者が、商品の利点や機能性を体感することによって、より深く商品を理解できます。

この記事の著者・理央 周さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 百貨店出店にまで拡大した「売らない店」の伸びしろに集まる注目
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け