水揚げ量の約3割が「廃棄」の事実。広がる廃棄魚や未利用魚ビジネス

Red snapper for sale at Jagalchi Fish Market near Nampo-dong, Busan, Korea
 

近畿大学水産研究所では、「アイゴ」という魚を養殖しています。

この魚は、ヒレのトゲに毒があるので嫌われ、また、内臓を適切に処理しないと臭くなるので、これまでは漁で掛かっても捨てられていました。

しかし、美味しい魚であることに着目し、近畿大学が養殖に乗り出したのです。

育て方やエサを工夫することで、臭みを少なくし、処理方法を考えることで、市場に出まわりやすくすることができます。

この養殖魚が一般化すれば、天然魚も高級魚に生まれ変わるかもしれません。

未利用魚の利用は、少しずつですが、他でも広がってきています。

まだまだ実験的ではありますが、フレンチレストランや和食料理店、ラーメン店、スーパーでも扱われるようになってきました。

また、簡単に調理すれば食べられる「ミールパック」のサブスクも始まっています。

カゴカキダイ、金時鯛、サカタサメ、ホウライヒメジ、ネンブツダイ、エイ、赤ヤガラ、ニザダイ、クロシビカマス、イトヒキアジ、キコリダイ、マトウダイ、グチ……。

聞いたことのない名前の魚が、少しずつ食べられるようになってきたのです。

食べた人たちは、美味しいと口を揃えて言います。

こんな“もったいない”ことを何十年も続けてきたのです。

やっと前進することができました。

とは言え、廃棄量からすれば、利用されるのは、まだまだ数%。

食べられるものが大量に捨てられていることに変わりはありません。

もっともっと“もったいない”を叫ばなければなりません。

消費者は、もっともっと実践しなければなりません。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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