ウクライナの惨状が「遠い国での火事」では済まなくなる日本
G7広島サミットの重大アジェンダの一つが“グローバルサウスの国々との協力の強化”でしたが、インドもインドネシアも、ブラジルも、コモロやクック諸島もG7になびくことはなく、どちらかというと、G7諸国のイメージアップに利用されたとの思いが強いようで、グローバルサウスの国々の欧米からの乖離がより進展したと思われます。
でもメディアはどう伝えたか?それはG7広島サミットによってグローバルサウスの国々とのきずなが強まり…という感じでしたが、インドをはじめとするその対象国では、ほとんど成果が伝えられていないことから、実情が伺い知れるのではないかと思います。
そのような状況の下、日本はどのように振舞うのでしょうか?戦後、苦労の末勝ち取ったと言われている“先進国”という立場ゆえの矜持を守り抜くために、無邪気にG7の一員としてのステータスを堅持するのでしょうか?
それとも力の現実に目を向けて、かつてのように、どっちつかずのバランス外交の姿勢に戻るのでしょうか?
最も安全保障環境が緊迫していると言われている北東アジアの中心に位置し、周辺を核戦力に囲まれ、アメリカを除けば同盟国がいないというユニークな立ち位置を持つ日本。
ハンドリングを誤ると、私たちが今、見ている遠いウクライナでの惨状は、決して遠くで起こっている火事では済まされない状況になる可能性が高まります。
今回、私がお伝えした内容に対してご批判も疑いもあるかと思います。情報操作だと非難されるかもしれません。
何を信じ、どう動くかは皆さんお一人お一人にお任せいたします。
以上、国際情勢の裏側でした。
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