プーチンの思う壺。ロシアが「もうすぐ崩壊」の偽情報に踊らされた欧米の赤っ恥

 

「北朝鮮のミサイルは本当に存在するのか」という疑問

では北朝鮮の核・ミサイル問題に関する情報はどうでしょうか?

いきなりですが、これまでに北朝鮮のミサイルの残骸や破片を誰かが確認したことはあるでしょうか?

今回もJ-Alertを通じて危険性が周知され、かつメディアも挙って警戒を訴えましたが、当該エリアには漁船も艦船も多数航行する中、ミサイルが海に落ちたという目撃情報もなければ、ミサイルの破片を回収したという情報を聞いたこともありません。

「恐らく自衛隊や海上保安庁が回収していて、それを公表しないだけではないか」とか「アメリカ海軍や韓国の海軍が回収して、自衛隊と情報を共有しているはず」といったご指摘を受けそうですが、皆さんはどうお考えになるでしょうか?

もしかしたら、北朝鮮のミサイルなどは存在せず、何か意図が込められた宣伝や情報操作という見方はできないでしょうか?

これはアメリカの海軍幹部が議会での証言でよく用いる手段でもありますが、軍事費・防衛費の確保と拡大のために、実情を誇張して喧伝しているとも考えられます。私や仲間たちの“妄想”かもしれませんが。

しかし南西諸島付近や北海道周辺、または日本列島を横断して太平洋にまで飛んだらしいミサイルを私たちは見たこともなければ、その破片を見たこともありません。

とはいえ、ウクライナ問題のみならず、米中対立も受けて、世界が分断の度合いを極めていく中、北朝鮮の核開発やミサイル開発に対する直接的な圧力が低下していることは事実で、分断の背後で着々と加速度的に、北朝鮮の軍事力と能力は拡大していると思われます。

今回の“人工衛星の発射”は失敗だったと言われていますが、恐らく課題についてはすでに特定し、修正点は明確に理解できていると思われます。ロシアや中国、イランやパキスタンなどからの支援もありますが、その一因になっているのは、皮肉にも日本をはじめとする反北朝鮮の国々による懇切丁寧な専門家による解説と分析内容の“無料提供”です。

一応、欧米諸国による対北朝鮮制裁は発動していますが、その激化については中ロとその仲間たちによってブロックされ、実質的には効果はないと思われます。それは中ロなどによる直接的なバックアップもありますが、それ以上に、対ロ制裁と同じく、欧米諸国とその仲間たちからの一方的な制裁措置発動に反感を持つ国々が、その制裁を有名無実化しているという状況にあります。

同じ図式がロシア制裁への各国の反応でも見ることが出来ますが、ロシアとウクライナの間の戦いが長引き、欧米諸国とその仲間たちによるウクライナ支援が強化されればされるほど、非(反)欧米諸国がじわじわと中ロサイドに引き寄せられ、国際社会における分断の力のバランスが中ロの側によってくることに繋がっていくことになります。

すでに中東諸国は中国とロシアの側に寄っていますし、ブラジルをはじめとするラテンアメリカ諸国も、そしてアフリカ諸国も、中ロ主導型の国家資本主義陣営に傾いてきています。

それが分かるのが、ゼレンスキー大統領が訪日前に参加して支援を呼びかけたアラブグループ会合での冷遇と、久々に復帰したシリアのアサド大統領への熱烈な歓迎の待遇の差です。

アラブ諸国が無言で明らかにした思惑と意思は、言語化すると「私たちはもう欧米の思い通りにはならないし、その手下のゼレンスキー大統領も助けない」というメッセージなるでしょう。

「力による現状の変更は好ましくない」というコメントはあったものの中東諸国もアフリカも、ラテンアメリカ諸国も、そしてインドも、ウクライナに手を貸すことはないようです。

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