なかなか学校では教えてくれない「諦める」ということ。大人になってから、成功するためには「ギブアップも必要だ」と気づいた人も多いのかもしれません。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、プロ通算わずか1本しかヒットを打てず引退した現ビジネスコーチによる一冊、『幸福論』ならぬ『降伏論』です。
成功できる人とできない人の「壁」⇒『降伏論』

『降伏論 』高森勇旗・著 日経BP
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、2006年に横浜ベイスターズ(現DeNA)に入団し、プロ通算でわずか1本しかヒットを打てず引退したという、高森勇旗さんによる自己改革の書。
著者は引退後、データアナリスト、ライターなどを経て、ビジネスコーチとして活動しているようですが、本書にはその指導経験がよく活きています。
土井も素人から著者候補に成長させるという意味では同じような指導経験をしていますが、できる人とできない人の間には、本当に厚い壁があって、通常はなかなかそれを乗り越えられない。
本書では、この「壁」の正体が何なのか、具体的に何ができていないのかを、明らかにしています。
なかでも興味深かったのは、71ページに書かれた、デール・カーネギー『人を動かす』について書かれた部分です。
著者はこの『人を動かす』を、3回読んだら人生が変わる本として受講生に紹介していたらしいのですが、実際に買うのは20%、次会う時までに「読みました!」という人が3%、本を読んだという人で、著者のことを名前で呼んできた人はいなかったそうです(本書の中でカーネギーは人を名前で呼ぶことの効果を丁寧に説明している)。
まあ世の中、こんなもんですよね(笑)。
成果を出そうとしたら、こうした行動の他にも、成果に至るまでの要素を因数分解する方法が役立ちますが、著者はこれをキャッチャーがランナーの2塁盗塁を阻止するための送球を例に語っています。
野球で1塁から2塁までは27.431m。ランナーはリードを取るので、実際に走る距離はおそらく24mほど。この距離を、最も足の速いランナーは3.3~3.4秒ほどで移動するということで、プロ野球ではピッチャーは投球モーションを起こしてからボールがキャッチャーに到達するまで1.25秒以内、キャッチャーは2塁に送球するまで2.0秒以内を目標としているそうです。
著者は、この2.0秒をさらに細分化して改善を図ったそうなのですが、成果を出すにはこういう考え方、大事ですよね。
それと面白かったのが、<未完了はあなたのエネルギーを確実に奪う>とした、第1章の部分。
中途半端になっていたり、曖昧になっていたりすることを表す著者の造語ですが、これが前に進む力を奪っている、というのは本当だと思います。
結論だけ拾えば普通の自己啓発書なのですが、著者の思考プロセスの細かさ、過去のエピソード、「できない自分」への追及の手を緩めないしつこさが面白い。









