サーカスを大人向けにした『シルク・ドゥ・ソレイユ』成功の戦略

April 20 - 2020. Ziggo Dome Amsterdam, The Netherlands. Performance of Cirque du Soleil Varekai
 

自分の感覚を持ち続けるための4つの習慣

イマーシブな体験によって自分の感覚を取り戻したり再生させたりしたあと、それをどう続けていくかを、シルク・ドゥ・ソレイユでは「4つの習慣」として提唱しています。

それは、時々快適な環境の外で動いてみることです。人間は、予測できないものがあったり、予測されない中に身を置くと不安になるから「不快」になるわけですね。だから予測できない場所に身を置くのは、自分を発動させる上で、とても大事なことです。

そうやって、時々快適な環境の外で働いてみることはすごく大事だし、その中で異なることに挑戦して、自分の限界を超えていくリスクを取ること。そして同じことを繰り返さないこと。同じことを繰り返さないというのは、大きいプロジェクトだけではありません。日常の仕事の中でも、ほんの少しの変化を入れていく。

日常の仕事の中でも創造性を発揮することをしていくことで、「INVOKE THE IMAGINATION」「 PROVOKE THE SENSES」「 EVOKE THE EMOTIONS」という自分の感覚、想像力、感情の動きを続けることができるのです。

・時々は快適な環境の外で働く
・異なることに挑戦してリスクを取る
・同じことを繰り返さない
・大きなプロジェクトだけではなく、日常の仕事の中でもちょっとした新しいこと、クリエイティビティを発揮する

僕たちはこの4つをやっていくことで、理性だけではなく、情動もリフレッシュし続けられる。理性や情動が心の中で錆びついてきていると思ったら、またこういったサーカスの世界に戻っていくと、自分の心についた垢や錆が取れて、もう一度感覚が動き出します。「こういった習慣を身に着けてみるといいよ」というのが、久しぶりに家族でシルク・ドゥ・ソレイユを見て思ったことです。

ふだんは「新しいこととのつながり」みたいなことを言っていますけれども、「情動のつながり」も楽しみながら、つながる未来を楽しみましょう。じゃあね。

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image by: Ben Houdijk / Shutterstock.com

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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