プーチン勝利に追い風。欧米で高まる「ウクライナ支援過多」への不満

 

進捗ペース落ち兵力減少情報も流れるウクライナ正面攻撃部隊

ザポリージャ州方面

1.ベルカノボシルカ軸

中央では、ウ軍はスタロマイオルスクを奪還した。ロ軍も軍隊のローテーションと新たな予備兵力の導入を急いでいるようである。ウ軍はスタロマイオルスクで掃討作戦を実施している。

そして、スタロマイオルスクの次の重要な町は交通の要衝スタロミニブカであり、ここでT0510道路を直進すると、マリウポリになる。

このため、ロミルブロガーによると、ここをウ軍に奪取されるとこの正面におけるロ軍の防衛は困難になるという。徐々に、第1防衛ラインに迫っていくことになる。

この地域は防衛ラインが一重であるので、第1防衛線を超えると、大きな防衛ラインがない。そして、マリウポリまでは100Km弱である。

ロ軍は、スタロマイオルスクの北側マカリウカを攻撃したが、ウ軍守備隊に撃退されている。またビリノピリにも攻撃をしたが、同様に撃退された。

2.オリヒウ軸

ウ軍は、ロボティネでロ軍と戦闘中であるが、ロボティネの東側一帯を奪還して、ウ軍装甲車1両が、最前線から約3.5km奥の、ヴェルボヴェの北西の第1防衛線ロ軍陣地に到達し、龍の歯が並べられている所をウ軍装甲車は突進している。

この装甲車は無人であり、遠隔操作で動かし、龍の歯やその前の溝がどの程度かを調べるために、送り込んだようだ。

このため、この第1防衛線に到達したことになるが、この地点は第1防衛線の次に第2防衛線があり、それを超えるとトクマクである。

そして、ウ軍はロ軍の弱点を見つけたようである。迂回作戦で多くのロ軍陣地を突破したが、街周辺のロ軍陣地は弱兵の可能性がある。

最前線に空挺部隊など熟達部隊を置いているが、動員の弱兵は重要拠点以外にいることで、街周辺では、この弱兵が防衛しているようである。

これに対して、ロミルブロガーよると、ウ軍は26日に機械化部隊による激しい正面攻撃を遂行し、ロボティネの北東方向にあるロ軍陣地を突破したのち、27日もロボティネ付近での攻撃を続けたが、その進捗ペースは落ち、その兵力もかなり少なくなっているというが、事実を見ると、それよりも相当前進しているように見える。

ウ軍も新規に機械化旅団を投入したようである。圧倒的な戦力でロ軍の弱い陣地を攻撃した可能性がある。

どうも、マリャル国防次官によると、ロ軍にパニックが広がり、脱走兵が増えている。ロ軍兵は前線に行くのを避けようとしている。ウクライナ戦場に行くのを避けるために、脱走、命令拒否、自傷行為が増加しているという。

この地域を守るロ軍第58諸兵科連合軍指揮官イワン・ポポフ少将は、「交代要員もいないことで長期にロ軍兵は前線にいることに疑問がある」と予備兵力の不足を問題視していたが、本当であったようだ。

このため、東部に移動させたロ軍空挺部隊を戻す必要になっているとも見える。第1防衛ラインを突破されると、第2防衛線には弱兵しかない可能性がある。南部防御と東部攻勢のどちらを選択するかロシア指導部(プーチン)の判断が重要になるようだ。

もう1つが、国家総動員法を発令して、弱兵を大量に動員して、ウ軍攻撃速度を落とし、早急に停戦交渉を行うことである。この時は南部を捨てる必要がある。

3.カムヤンスク軸

ウ軍は、ジェレビヤンキーの攻撃を継続している。東側のコノバロバ方向に前進している。

それと、ウ軍は、ルホベの2km以内に前進しているし、高速E105号線方向に進んでいる。ウ軍は、ここに1個機械化旅団を投入して攻撃している。

逆にロ軍は、予備大隊と第810独立海兵旅団の分遣隊を投入し、戦線を強化している。

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