世界的企業の“電通外し”と対照的なテレビや自治体の“電通依存”。なでしこジャパン商法終焉の裏側

TOKYO, JAPAN - 23 July 2021:Dentsu Headquarters Building sign
 

3.電通とコンプライアンス問題

これまでスポーツビジネス全てをコントロールしていた電通だが、東京五輪の不祥事によって、苦境に立たされている。世界的企業であるほど、コンプライアンスの問題で電通と付き合うことができない。当然、電通が仕切る番組に参加することもできないし、キャンペーンを展開できないのだ。

テレビ局、自治体、スポーツの協会等は、電通に依存している。その依存ぶりは異常だ。電通は広告代理店なので、社内で全て番組制作やクリエイティブワークをしているわけではない。個人的には、電通に依存しなくても、イベントは企画運営できるし、ライセンスビジネスもできる。ただ、発注する側が全てをコントロールしなければないないだけだ。

もし、電通を外すことができれば、簡単に予算は半減するだろう。五輪の予算も電通とゼネコンを外せば、大幅に削減が可能だ。

簡単に電通を外せない構造。組織と個人の間に張りめぐらされた、人間関係とお金の流れがある限り、日本のスポーツビジネスの闇は晴れないだろう。

そう考えると、日本選手が海外チームに移籍し、健全なマネジメントの下で、キャリアを積み重ねることはとても良いことだと思うのだ。

編集後記「締めの都々逸」

「素人ジジイが 威張ってると プロの意見は通りゃせず」

私も電通とは何度かお仕事をしました。気持ちよく仕事ができたこともありますが、ほとんどは喧嘩になり、「二度とお前とは仕事をしない」と啖呵を切って決裂しています。

ですから、個人的に電通は嫌いです。

東京五輪の不祥事は、電通の存在そのものであり、あれを何十年も継続していたんですよ。ひどい話です。

私は、各企業は電通をボイコットすべきだと思っています。コンプライアンスにひっかかります。日本のスポーツ業界よ、自浄作用を発揮してください。その具体的方法が電通を外すことです。(坂口昌章)

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