さらに地域で認定されたコーディネーターについても、存在が認知されていないとの指摘もあった。基本理念では「個々の医療的ケア児の状況に応じ、切れ目なく行われる支援」を明示しているが、この補足として「医療的ケア児が医療的ケア児でない児童等と共に教育を受けられるように最大限に配慮しつつ適切に行われる教育に係る支援等」としている。
2018年から医療的ケア者を含む重度障がい者の「学び」を実践してきた私としても、この点で連携できる可能性は高いのだが、その議論にたどり着くにはまだやることが多そうだ。
さらに大田区からは障がい者に関する実態調査を受けた課題として「専門的な相談対応の充実や療育機関の受け入れの充実が求められている」「医療的ケア児に対応できる人材を計画的に確保・育成していくことが求められている」を提示した。
委員からは人材の離職の多さの実態を示した上で、定着も重要な課題との指摘もあり、特に福祉サービスで看護師を機能させるためには医療機関とは別の支援が必要との認識も示された。
これらの議論の最後には、区内の取組として健康の面や保育、教育の面での対応も報告され、法の施行に伴う取り組みが披瀝されたが、それが実際にどんな支援につながり、当事者やその家族がどのような声を上げてきたのか、それにどのように対応したかには触れられず、肉声は伝わってこなかった。
医療的ケア児支援法は本人やその家族の声を尊重することを基本としているから、やはりその声から議論を始める、または確認しながら議論を深めたいところである。
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