毎日不機嫌な同僚と“事なかれ主義”の上司。職場環境を改善する方法は?

 

赤ちゃんは言葉を持たないから泣いたりぐずったり不機嫌になることで、周囲の人たちにケアを求めていますね。彼女がしていることはそれと変わらない。その行動や態度は、職場にふさわしいもの……ではありませんよね。

ということを、「事なかれ主義の上司」だけでなく、その上の上司も巻き込んで一度「真剣に」相談してみてはいかがでしょうか。おそらく不機嫌な彼女のまわりにいる人たちは、彼女からの負の影響をわかっています。でも、それは数値化できるようなものではないし、直接的な目に見える影響がないがゆえに、放っておいているわけです。ただ、このまま黙っていては、職場環境は改善されない、むしろ悪化の一途をたどると思います。

こうなると、あなた個人の問題ではありません。「私が嫌だから」ではなく、「職場環境改善のために」「生産性向上のために」なにができるかを考えてみてはいかがでしょうか。少なくとも彼女の不機嫌のしりぬぐいを職場の人たちがする必要は、1ミリもないのです。

まあ、私たちは人間ですから、精神を安定させようと思ってもなかなかうまくいかないことだってある。そうだとしたら、少なくとも自分だけは「家で起きた嫌なことを職場に持ち込まない」「職場であった嫌なことを家に持ち帰らない」を心がけてみましょう、という提案をしています。それだけで、自分のまわりは少し平和になります。

あとは、自分の心の平穏のために、スルースキルを身につける、という提案もしています。もう10年以上前ですが、私自身、不機嫌さをまき散らす人の声を聞いただけで筋肉がこわばるような、血液が逆流するような不快感を感じていたことがあります。

でも、ある時から「ああ、あれは蝉の声だ」と脳内変換するようになりました。蝉の声、間近で聞くと大きいし不快ですよね。でも、蝉は鳴くことしかできない生き物だし、私は蝉の鳴き声を止めることはできないから、不快ではあるけれど「ま、鳴かせとけ」と思うようになり、少し楽になりました。

建設的な職場改善ができますように。そしてあなたに心の平穏が訪れますように。

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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