そして問題の本質は「人手不足」ではなく「業務量過多」の方である。
また、単に人を増やしたらまた業務が増えるのは目に見えている。
これまで「〇〇教育」などの「新しいもの」について、散々ビルド&ビルドを繰り返してきた実績がある。
その効果検証については、誰にも問われないまま、ただそこにあり続けているというのが現実である。
企業が倒れる構造にも似ている。
規模の拡大と向上を常に目指していれば、いつか無理が生じて倒れる。
見直しによる事業規模の縮小、適正化が必要である。
「もっと成果を上げろ」「優秀な人材を多く確保しろ」よりも、必要なのは業務の焦点化の方である。
人の数は限られているのだから、業務量の方を減らせばいい。
問「40人乗りの大型バスを予約したいけれど、乗る予定の人が20人しかいません。どうしたらよいでしょうか。」
答「20人乗り程度のマイクロバスに変更する。」
小学校の算数レベルの話である。
ここで「乗る人を20人増やす」という回答は、かなり狂っていないだろうか。
そもそもバスの規模が、無駄に大きすぎるのである。
現場を助けるために、人員を確保しようというのは、紛れもない善意である。
それがもしもできるなら、本当に可能なのであれば、確実に助かることである。
(ちなみに小学校だけで、1校当り1人増やすには2万人近く新規で増員し、育成する必要がある。現実を見た時に、果たして、どこにそれだけの人材と資金が埋まっているのだろうか。)
それ以前に、文科省ほどの大きな権限があれば、根本的に業務量自体を減らすことができるのではないだろうか。
どうせ善意であるなら、助かる方向がいい。
何かを新たに与えるよりも、色々となくして欲しいという、現場からの切実なる願いである。
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