なぜ優勝できた?慶應高校野球部監督が語る「107年分の優勝」

 
[佐藤]こちらへ伺う前には、慶應義塾高校野球部のホームページに紹介されていた部訓を生徒と一緒に音読してきました。 [森林]そうでしたか。あれは私が指導を受けた上田誠前監督の教えに共感して、部訓にさせてもらったものなんです。 [佐藤]私たちがいつも言っているのと同じことがたくさん掲げてあったのでとても嬉しかったんですけど、「理論武装せよ」というのは新鮮でした。

他校であまり見られないインテリジェンスが感じられて、さすが慶應さんだなと。

さらに読み進めていくと言葉がどんどん熱くなって、最後のほうでは「自分で自分の逃げ道を作るんじゃねえ」「男は危機に立って初めて真価が問われるものだ」と。こういう無骨なところも併せ持っておられるのがすごく嬉しくて(笑)。

[森林]うちの部員より熱心に読んでいただいてありがとうございます。上田前監督が日頃言っていたことをそのまま文字にしてあるので、結構荒っぽいところもあると思います(笑)。

うちは世間のイメージとは違って、泥臭いところもいっぱいあるんですよ。

[佐藤]そこが素敵なんです。こういう教えが、甲子園でのご活躍にも繋がっているのでしょうね。 [森林]我が校が夏の甲子園で優勝を果たしたのは、戦前に慶應義塾普通部と称していた時以来で、実に百七年ぶりでした。

前回優勝した時の関係者は誰も存命ではありませんから、初優勝を目指す気持ちで頑張ってきました。

今年だけ特別に生徒がよかったとか、取り組みがよかったというわけではなくて、運とか縁とかいろんな見えない力も味方してくれて優勝することができました。

過去に在籍した部員や監督やコーチや保護者の皆さんのいろんな思いが詰まった、百七年分の優勝と受け止めています。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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