なぜ、小銃も作れなかった韓国の防衛産業は急成長を遂げたのか?

Kielce,,Poland,,September,08,2023,,Exhibition,Stand,Of,The,Korean
 

韓国の防衛産業は近年すさまじい勢いで進歩を遂げています。今回、無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、韓国の軍事産業事情を語っています。

小銃も作れなかったKバンサン、兵器ショー主役に

年間1000兆ウォン台の国防予算を執行する米国の心臓部で開かれるこの行事には、米国・ドイツ・英国など全世界80か国余り、650余りの防衛産業企業から来た関係者3万人以上が参加する。防衛産業企業が隠してきた悲壮な新型兵器を一斉に披露する「銃声のない戦場」でもある。特に今年は、長期化したロシアのウクライナ侵攻に加え、開会直前に発生したハマスのイスラエル攻撃で前例のない関心が集まった。

韓国戦争当時、小銃一つも作れず、その後も米国が提供する軍事援助装備に依存していた韓国は同日、世界最強の軍事大国である米国にまで武器を売るため、会場中央に230平方メートル(約70坪)規模のブースを設けた。このブースに多くのグローバル防衛産業関係者が絶えず訪れた。

「Kバンサン(=韓国防衛産業)はすでに大リーグ入りした(2022年CNN)」という評価を受けている。韓国政府は今年6大防衛産業輸出国、自由陣営で言えば米国、フランス、ドイツに次ぐ4位を目指す。貿易順位を上回る数値だ。韓国防衛産業は昨年、史上最大の173億ドル(約22兆6800億ウォン)の輸出を記録し、現在の受注残高は100兆ウォンに達する。

核武装した120万の北朝鮮軍に対抗しなければならない特殊な安保環境の影響で、K防衛産業は陸・海・空のすべての分野で急成長した。地上軍兵器である装甲車・戦車・火砲は、国内独自開発と生産可能水準を超え、世界上位レベルに跳躍した。航空分野は1970年代から戦闘機・ヘリコプター技術移転生産を土台に今は高等訓練機(T-50)、韓国型機動ヘリ(スリオン)、次世代戦闘機(KF-X)まで技術が上がってきた。艦艇分野も世界最高水準の造船技術を基に国内自主建造が可能であり、戦闘性能を左右する戦闘体系も着実に拡充している。

「AUSA2023展示場のハンファエアロスペースブースには、世界の自走砲市場の半分以上を占め、「21世紀ベストセラー」に挙げられるK9自走砲と砲弾自動移送装置を装着したK56弾薬運搬車など、最先端自走砲パッケージが展示された。米軍関係者たちはハンファブースを訪れ「K56が米国自走砲とどのように互換できるのか、既存武器体系対比投入人員をどのように3分の1に減らすことができるのか」等を尋ねた。グローバル先頭圏である米国のある防衛産業企業の職員は、ハンファブースを訪れ、本人の経歴を紹介し、転職の可能性を尋ねたりもした。

ハンファ関係者は「2017年に初めてAUSAに参加した時は、果たして低い認知度の韓国技術で作った兵器体系を防衛大国に輸出できるのか半信半疑だった」とし「今年『戦車名家』ドイツを抜いて豪州輸出を獲得し、今や世界で認められた兵器を防衛産業最先進国である米国と北大西洋条約機構(NATO)に市場を拡大するのが目標」と話した。ハンファディフェンスUSAのジョン・ケリー法人長は「韓国の防衛産業界は成人(coming ofage)になったばかりだ」と話した。

image by: Lukasz Michalczyk / Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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