コロナ禍でアウトドアの需要が高まり、それまで職人さん御用達だったワークマンが一気に脚光を浴びました。しかし、『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江さんは、現在「ワークマン離れ」が起きているというニュース記事を読みながら、その理由を分析しています。
今週の気になるニュース:なぜ「ワークマン離れ」が起きているのか? 人気コンサルの見解は
● なぜ「ワークマン離れ」が起きているのか…快進撃を支えてきた「カジュアル路線」に潜む意外なリスク(プレジデント)
うーん、「ワークマン離れ」と言っても、じゃあ職人さんがワークマン以外でどこで作業服を買うかといえば他にありませんよね。減ったといえばカジュアル路線だと思うのですが、おそらくアウトドア初心者が山登りやキャンプ用品を手頃な値段で手に入れる時に何度か試し、その後ステップアップする際に離れていったという流れではないでしょうか。
わたし自身はワークマンは結構好きでたまに買い物もするのですが、何を買っているかというと海釣りで使う雨具や雨靴です。ノースフェイスで同じものを買おうとすると数万円はするので、どうせ海で塩水だらけになるしワークマンの数千円の雨合羽でいいやという感覚ですね。
あとはメリノウールのアンダーウェアも買いましたが、モンベルで同じクオリティのものを買おうとすると上下で2、3万円するのが数千円で買えるので家で着るなら十分です。
ただ、デザインはノースフェイスやモンベルに比べて圧倒的にダサいのは否めません。以前種子島にサーフィンに行った時も、屋久島観光で女子が大勢来ていましたが、ワークマン女子なんて皆無でした。(ほぼモンベルやミレーなどのウェアでした)
「急激な成長期が終わりを迎えようとしている」とありますが、大きな要因はコロナの時にアウトドア用品が爆売れしたからだと思いますね。わたしのクライアントもコロナバブルでサーフィン用品が非常によく売れたのですが、コロナでソーシャルディスタンスが叫ばれている時、釣りやキャンプなら安心といって日本中でアウトドアブームが到来したんです。
それが5類に移行して多くの人がマスクを外すようになり、当時何度かアウトドアに行ったものの飽きてしまった人たちがいま大量にメルカリに出品しています。同様に、ワークマンも始めは興味本位でアウトドアを始めた人が徐々に離れていった結果ではないでしょうか。つまり今までが祭りだったのです。
ではこれからワークマンは何を目指せばいいかというと、本当にアウトドアに舵を切るならもっとアッパー層のセンスに合わせていくべきです。ぶっちゃけワークマンって初心者のお試しレベルならいいですが、もう少しステップアップして本格的に始めるならダサくて着られません。
ただそれで値段を上げるとノースフェイスやモンベルが競合になるので苦しいですよね。今はすごく中途半端な立ち位置なので、初心者向けにもう少しデザインを工夫していくと活路が見えてくるのではないかと思います。
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