好評のNHK朝ドラ『ブギウギ』ですが、ヒロインの実父役を好演するのが、ギバちゃんこと柳葉敏郎です。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、2006年に出身地の秋田県大仙市に移住したギバちゃん一家を突撃取材した過去を振り返りながら、まるで室井警視正そのものだった柳葉の「独演会」を明かしています。
『ブギウギ』の道楽オヤジに思い出す、秋田県大仙市の青く澄み切った空
朝の連続テレビ小説『ブギウギ』が好評のようです。
NHK関係者に話を聞くと「“紅白”の伊藤蘭と趣里の母娘共演は視聴率底上げの目玉になる!」とかなり意気込んでいました。
「ついでに水谷豊も呼んだら?」と言うと「イヤイヤイヤ…」と、何とも薄気味悪い笑みを浮かべていました。
既にオファーを出していて体よく断られたのか、まだ交渉中なのかまでは教えてくれませんでしたが、歌手としてシングルやアルバムを何枚も発売し、舞台でも美声を聞かせてくれる水谷のサプライズ登場があったら間違いなく盛り上がりをみせるでしょうね。
ただ、数年前、港区赤坂『ザ・リッツ・カールトン東京』のエントランス、エレベーター前でばったり鉢合わせした時、私が「水谷さん!」と声を掛けると「止めてョ…こんなところで名前を呼ぶのは…」と言われたことを考えると、プライベートを晒す可能性は薄いようにも思えますが…。
『ブギウギ』で私が密かに注目していたのは、ヒロインの実父を演じる柳葉敏郎です。
酒席で和田アキ子に「この人とは2度と酒は飲みたくない」と言わせたのがギバちゃんです。
37年ぶりという朝ドラの出演が決まったギバちゃんに、“あっ、これは一悶着あるだろうな…”とひとり勝手に想像していました。
妻役に水川あさみと聞いたとき、思わず小躍りしてしまった程に。
“芝居に強いこだわりを持つこの2人が夫婦役なら、絶対現場で小競り合いが生じるな…”と。
ところがこの2人、収録現場では和気あいあいだったようで…残念でした!?
さて、ギバちゃんと言えば、私は彼が故郷の秋田県大仙市に家族で移住した2006年に直撃取材をしたことがありました。
売れっ子人気役者が突然東京を離れ、家族を連れて田舎に移住する理由は何なのか、芸能関係者の一部では政界転身の声も囁かれていたギバちゃん、“ソイヤッ! ソイヤッ!”と警視正まで演じる大人気役者がもし立候補すれば“無双状態”は間違いなかったはず…。
真相を探るのはもちろんでしたが、それと同時にギバちゃんの、激情型リアクションを生で見てみたいという本音もありました。
芸能記者として、普通ならとても近付けないタレントへの直撃取材はこんな楽しみ方もあるのです。
いわゆる“怖いもの見たさ”というやつです。
何と言ってもあの“青島刑事”演じる織田裕二に「いちいち演出に口出しするんじゃないョ!」と食って掛かった人です。
前夜は興奮して眠れませんでした。
直撃したのは、ギバちゃんファミリーが楽しそうに大きな庭で水撒きをしていた時でした。
ギバちゃんの豪邸前に車を停めた瞬間、運転席にいたカメラマンは「僕は後ろの座席で隠れています…」と不安げな表情で私に言ったのを憶えています。
「柳葉さん!」
私の声に、ファミリーが一瞬で凍り付きます。