これは「研修」でも同じこと
素晴らしい一回の研修で人間が激変するということはない。それらは一つのきっかけ、入り口に過ぎない。要は、そこで学んだことを日常のあらゆる場面において、実行し続けられるかどうかにかかっている。
教員研修も同じである。研修自体に意味はある。しかし、学んだことを同僚や子どもに対し、実際に実行していくかどうかが全てである。
子どもは日常的に「問」を投げかけてくる。「先生、○○していいですか」とか「どうして〇〇なの?」とか「〇〇しようよ」など、日々判断を迫られる場面には事欠かない。「今、それかー!」と心の中で絶叫してしまうような状況に陥ることもしばしばである。
「さあ、あなたはこの状況にどう対応する?」と問い続けられている日々ともいえる。日常が修行の場であり、成長の機会である。
このハードワークに耐えるには、心身の健康がベースである。心身に余裕のない状況で問われれば、とんでもない反応をしてしまいかねない。パフォーマンス面を考えても、心身の健康は最優先事項であるといえる。
またこれは、自分最優先でいいという話ではない。同僚とのコミュニケーションが円滑であれば、心身両面に大きなプラスになる。休みたいタイミングで気兼ねなく、気持ちよく休みをとれるのも、同僚との普段の関係性が大きい。子どもだけでなく同僚に対してもホスピタリティを互いに発揮できれば、みんなが幸せに働けるというより良い結果がついてくる。
この企業では、社員同士にも「ありがとうカード」を贈り合う習慣があるという。かつて自分の学級でも「にっちもさっちもいかない状況」から出たアイデアで実行したことがあるが、劇的な変化があった。企業でも実行されるほど効果があるということである。
人間関係の向上も仕事のスキルアップも、日常から。人間力を磨く最高の研修の場は、日常にこそある。日常に出会う人々を大切にし、日々研鑽を積むことの大切さを学ばせていただいた貴重な時間だった。
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