灘中に守山氏がかけていた「圧力電話」の内容
盛山氏にまつわる疑惑は、統一教会以外でも浮上。具体的には、盛山氏の母校である私立灘中学校・灘高等学校(神戸市)が歴史教科書の選定において盛山氏らから圧力をかけられたという。
2017年、私立灘中学校・灘高等学校の和田孫博校長が、歴史教科書の選定に関して政治的権力や右派勢力からの圧力があったことを告白。
灘中は2016年度から、「学び舎」という出版社が提供する新しい歴史教科書「ともに学ぶ人間の歴史」を採用。しかし、和田校長によれば、2015年末に行われた<ある会合で、自民党の一県会議員から「なぜあの教科書を採用したのか」との詰問>を受け、さらに年が明けてからは、<本校出身の自民党衆議院議員から電話がかかり、「政府筋からの問い合わせなのだが」と断った上で同様の質問を投げかけてきた>という。
この「本校出身の自民党衆議院議員」というのが、盛山氏であったとうのだ。
学び舎教科書は、2004年度の検定以降、他の教科書会社が触れない慰安婦問題や河野談話に言及しており、その点で右派の歴史修正主義者たちからの反発を浴びていた。
上記の括弧内の文章は、「謂れのない圧力の中で──ある教科書の選定について──」と題された4ページの論文で、2016年、富山大学教授・松崎一平氏が代表の「グループ帆」が編集・発行する「とい」という論文集に掲載された(*4)。
毎日新聞は「霊友会」から多額の広告料を
一方、今年に入り注目を集めているのが、新興宗教「霊友会」と毎日新聞社との微妙な関係だ。
霊友会が毎年開催する中学・高校生向けのイベント「ナキワラ!」について、毎日新聞が霊友会の関与を隠して報道している問題が浮上。この件についてはSlowNewsが報道した(*5)。
SlowNewsによれば、毎日新聞社はこのイベントに関連する広告を掲載するだけでなく、PR記事の制作も手がけ、霊友会から多額の広告料を受け取っているという。
さらに、各地域版や全国版の社会面にも、霊友会に関する記事が通常のニュースとして掲載されているとのこと。
このような行為は、過去に旧統一教会をめぐる問題で問題視されてきた。しかし、毎日新聞は旧統一教会に対して批判的な姿勢を示しつつも、自身も新興宗教からの資金を受け取っている疑いがあると指摘されている。
霊友会の公式ウェブサイトによると、会員数は253万人を超え、海外を含む5,531の支部を有している。
また、「いんなあ・とりっぷの霊友会」というキャッチフレーズのCMは、TBSラジオの『ジェーン・スー 生活は踊る』などでも放送されている。
■引用・参考文献
(*1)「盛山文科相 旧統一教会系機関誌『一方的に送られてきたもの』」NHK NEWS WEB 2024年2月20日
(*2)沢伸也、高島曜介「盛山文科相側に旧統一教会系機関誌 地元事務所へ毎月無料、先月も」朝日新聞デジタル 2024年2月20日
(*3)クローズアップ現代「旧統一教会と政治 見過ごされてきた関係」NHK 2022年8月29日
(*4)「名門・灘中学校長が告白! 採択した歴史教科書めぐり同校に自民党とネトウヨから卑劣な圧力が」リテラ 2017年8月3日
(*5)「【スクープ】『霊友会』を隠して若者イベントをお手盛りで報じる毎日新聞と『新興宗教マネー』の関係」SlowNews | スローニュース 2024年1月9日
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