バイデン、トランプ「老老対決」に“不測の事態”を心配する声。鍵を握る名門「ワンチャン候補」の名前

 

党大会前の「不測の事態」が招きかねない大混乱

そこで早くも米メディアでは、2人のどちらかもしくは両方に「不測の事態」があった場合はどうなるのかの検討が始まっている。

(1)の党大会前に候補者が不在となった場合、1月以降に各州ごとに予備選もしくは党員集会を開いて「代議員」獲得を競ってきたプロセスをもう一度やり直すことは時間的にも資金的にも難しいので、一定の条件で新たに立候補者を募り大会に集まった代議員が自由投票で決めることになるらしい。しかしそうなると、恐らく予備選段階で出馬断念に追い込まれた候補者たちがこの一発勝負のチャンスに賭けようと我も我もと参入して、なかなか決まらず混乱が起きるかもしれない。

大会で選ばれた正式候補が(2)の本選前に撤退した時は、もはや大会を開く暇もないので党の指導部である全国委員会が党内協議で決め直すのだろう。さらに本選で勝利した大統領当選者がいなくなった場合は、(3)の就任前でもその後でも、副大統領が後を継ぐことになる。

というわけなので、本選がバイデンvsトランプの対決の再現となるかどうか、なった場合に今の世論調査通りのトランプがやや有利という結果になるかどうかは、まったく不確定と言うべきである。米国政治が専門の前嶋和弘=上智大学教授は、トランプが共和党内の戦いで圧倒的強さを見せたのは事実だが、だからと言って「ほぼトラ」、すなわち「もうすでにトランプ勝利がほぼ決まった」かに捉えるのは尚早で、これからバイデンが巻き返すこともあり得ると見ている(日経3月15日付「アナリシス」欄)。

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