金正恩の趣味が第一?なぜサッカーW杯の代表戦が北朝鮮の極超音速ミサイル発射実験を左右するのか

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マッハ5以上で変則的な軌道を飛行するため、迎撃が困難とされる極超音速ミサイル。そんな兵器の開発に北朝鮮がまた一歩近づいてしまったようです。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では國學院大學栃木短期大学兼任講師の宮塚寿美子さんが、19日に北朝鮮北西部で行われた新型極超音速ミサイル用の固体燃料エンジン実験を伝える朝鮮中央通信の報道内容を紹介。近く同ミサイルの発射実験という「軍事挑発」が行われるとした上で、その時期について独自の視点での予測を試みています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2024年3月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

北朝鮮「新型極超音速ミサイル用の固体燃料エンジン実験実施」

北朝鮮の朝鮮中央通信は2024年3月20日、ミサイル総局と傘下の発動機(エンジン)研究所が同月19日に北西部・平安北道鉄山郡の西海衛星発射場で、新型の中長距離極超音速ミサイルに搭載する多段式の固体燃料エンジンの地上燃焼実験を実施したと報じた。金正恩総書記が立ち会い、実験の結果に満足感を示したという。

北朝鮮は昨年2023年11月、新型の中長距離弾道ミサイルに搭載する大出力の固体燃料エンジンを開発したと報じた。2023年11月11日に1段目、14日に2段目エンジンの地上燃焼実験を実施し「大変満足できる結果」が得られたとした。今年2024年1月14日には極超音速弾頭を搭載した固体燃料式の中距離弾道ミサイルの発射実験に成功したと主張した。

今回の実験について朝鮮中央通信は「新型中長距離極超音速ミサイル兵器体系の開発完成の時間表が確定した」と伝えた。

金正恩総書記は「この武器体系の軍事戦略的価値はわが国家の安全環境と人民軍隊の作戦上の要求から出発した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)に劣らず重要だ」と強調した。また、第8回党大会が提示した5カ年計画の戦略兵器部門の開発課題が完結したことを高く評価した。

昨年2023年11月に初めて燃焼実験をしたエンジンを使い、今年2024年1月にミサイルの発射実験を行っている。今回、これらの結果を踏まえ、エンジンの地上実験を再び実施したと推測できる。このエンジンを搭載した中長距離の極超音速ミサイルの発射実験に近く乗り出す可能性もありそうだ。

春は米韓軍事合同訓練があり、例年、北朝鮮の軍事挑発が多くなる傾向にある。早ければ今月末までに次の挑発があってもおかしくないが、明日2024年3月21日には日本でサッカーの日本と北朝鮮戦が行われ、3月26日には北朝鮮で13年ぶりにホームで試合が行われる予定である。金正恩総書記もサッカーは好きと知られており、国技でもある。このため、この試合期間中は控えられると予測される。あるとすれば、日本の新年度が始まる4月に入ってからだろう。

(國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)

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元山梨学院大学教授の宮塚利雄が、甲府に立ち上げた宮塚コリア研究所から送るメールマガジンです。北朝鮮情勢を中心にアジア全般を含めた情勢分析を独特の切り口で披露します。また朝鮮半島と日本の関わりや話題についてもゼミ、そして雑感もふくめ展開していきます。テレビなどのメディアでは決して話せないマル秘情報もお届けします。長年の研究対象である焼肉やパチンコだけではなく、ディープな在日朝鮮・韓国社会についての見識や朝鮮総連と民団のイロハなどについても語ります。

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