アントレプレナーに必要なのは、短い期間での効果の活用
ではなぜ、失敗からの学びの効用が複数あるなかにあって、サラスバシーは第3の効用に注目するのか。それは彼女が見ていたのは、アントレプレナーのマーケティングだからだと考えることができる。
失敗からの学びから生じる教育効果や、安全対策などでは、個人や組織の態度の育成や知識の再構築などを経て、ある程度の時間をかけて効果が発揮されるようになっていく。一方、アントレプレナーは、こうした時間のかかる効果の発現を待つことが難しい。アントレプレナーは、進行中のプロジェクトに次々と出現する難局を、短い期間のうちに乗り切り、次の局面を切り拓いていかなければならない。
サラスバシーが、失敗からの学びをレモネードの格言にむすびつけたのは、その学びを短い期間のうちに活用する必要があることを見すえてのことだと思われる。失敗を克服したり、解消したりするのではなく、そのまま生かすのであれば、時間をかけずに新たな実行につなげていくことができる。失敗の効用を、すばやく起業や新規事業開発における価値創造に活用できる。
【関連】「ネスカフェ アンバサダー」「マスキングテープ」が好例。“日本発のイノベーション”から学べること
【関連】リクルートの「スタサプ」に学ぶ、予測が通用しない市場でのマーケティング展開法
【関連】全米が激怒したコカ・コーラ1985年の大失敗。ニュー・コーク騒動に学ぶマーケティングの醍醐味
image by: Shutterstock.com









