イスラエルとイランの戦いにアメリカが参戦。バイデンは“中東大戦争”を望んでいるのか

 

今後のシナリオ

これから、アメリカ、イスラエルは、どう動くのでしょうか?

アメリカとイスラエルは、イランの参戦を望みます。そして、どこかの時点でアメリカが参戦し、イランの核兵器製造施設を破壊するでしょう。このことは、アメリカが「中東大戦争を望んでいる」ことを意味しません。アメリカは、「下手すると4正面作戦になるリスク」を抱えているのです。

「4正面」とは、

  • ウクライナ―ロシア戦争
  • イスラエル―イラン戦争
  • 台湾―中国戦争
  • 韓国―北朝鮮戦争

です。

イランに関しては、「核兵器製造施設を破壊して終わり」にしたいのでしょう。ですが、イランがそれで引き下がる保証はありません。中国とロシアは、むしろアメリカ、イスラエルとイランが大戦争になることを望むでしょう。そうなれば、アメリカは、ますますウクライナを支援できなくなります。

中国にとって、唯一の脅威アメリカが疲弊し弱体化するのを見るのは、大いなる喜びでしょう。アメリカの弱体化が進めば、台湾統一も容易になりそうです。

というわけで、アメリカは、ウクライナ戦争を望まなかったし、台湾有事も望んでいない。しかし、イランについては、「核兵器問題」があるので、紛争を拡大したいという話でした。

「拡大したい」といっても、「核兵器製造施設を破壊しやすい状況をつくる」程度の拡大です。イランとの全面戦争を望んでいるわけではありません。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル2024年4月3日号より一部抜粋)

image by: Mohasseyn / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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