なぜ、スティーブ・ジョブズはソニーの盛田昭夫を訪ねたのか?

 

面白い理論があります。損失回避性(プロスペクト理論)というもので「人は“損をする”ことに対して過剰に恐怖を感じる性質を持っており、同じ金額であれば、利益を得る喜びよりも損をする苦痛の方が2,25倍以上大きい。」なのです。だから、経営者は一般感情に判断を委ねていては、戦略を損ないます。

当然ですが、経営者は果敢かつ整合性ある経営判断をしなけれななりません。誰もが「損失に恐怖する」のですが、致命的でないかぎり実践し多くの失敗から生な情報と見通しと自信を得て先行することができます。一番の地位を得るには、差別的な資源(情報と自信)は必須です。元より失敗を失敗で終わらせるようでは無意味ですが、ニデック(日本電産)の永守さんのいう「やり始める。やり続ける。やり通す。」が基本的な企業を育てて活かせる基本的な覚悟であり姿勢です。 

ところで、ドラッカーは、企業についてこのように定義します「企業は社会の機関であり、その『目的は社会にある』」と、さらに、こんなこと続けます「企業の目的の定義は一つしかない。それは、『顧客を創造すること』である。」さてこれをどう解釈されますか。加えて、そのために二つだけ「“マーケティング”と“イノベーション”という成果をもたらす基本機能を持つ」と教えています。

“顧客を創造する”なんてことを言って事業を行っている経営者などを見かけられたことがあるでしょうか、聞かない話です。しかし、すべての大きな成果を実現させた事業家は、これを行いました。そして、この“顧客を創造する”を行い得た企業は、差別的に成長して、それができなくなり陳腐化すると優位さはなくなり衰微されて行きます。 

好業績を適えるためには、リスクを賭けてチャレンジし続けて“顧客を創造する”を続けるということで、高収益企業の基本戦略であり原則です。今日の世界では“変化”が常態で、停滞した効用(商品・サービス)では、改善する革新する「格安でかつより魅力的なもの」に抗しようはない。対価を支払うのは顧客だけなので、ここに焦点を絞ってよりよい効用(商品・サービス)でニーズを満たすことが企業の本来の方策であり道です。

print
いま読まれてます

  • なぜ、スティーブ・ジョブズはソニーの盛田昭夫を訪ねたのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け